親子でチャレンジ
「息子と車庫で2時間くらいリフティング、あれは間違いだった」元日本代表DF秋田豊が振り返る子育て
公開:2016年7月15日 更新:2023年6月30日
「息子と、家の車庫で2時間くらいリフティングしていたよ。“まだまだ”といって息子がやめるのを許さなかった」
今年21歳になった長男がまだ小学生だったころのエピソードを語ってくれたのは、元日本代表DFの秋田豊さん。現在公開中の映画『ペレ 伝説の誕生』の中で、プロサッカー選手だったペレの父親が幼き日のペレにリフティングを教えるシーンと自身の子育て体験が重なったのでしょう。
「ペレのお父さんの接し方はいいですよね。サッカーから離れようとする一方で、本心では大好きなサッカーがしたくてたまらないペレ少年の背中をそっと押すようにリフティングを教えてあげる。でも、ぼくのやりかたは間違っていた」
秋田豊さんといえば、日本がはじめてワールドカップに出場した1998年フランス大会で、アルゼンチン代表FWバティストゥータともマッチアップした日本屈指のディフェンダーです。そんな彼も、ピッチを離れれば2男1女の父親。子育てでは、失敗も多かったそうです。コーチとしても父親としても子どもと接する経験を持つ秋田豊さんに、サッカー少年の育て方について伺いました。(取材・文 出川啓太[サカイク編集部])
■ペレの父親から学ぶ子どもとの正しい接し方
「ムキにならず、楽しめ」
「おのずとできる」
「無理せず、自然に」
そういってペレの父は、息子をサッカーの魅力にひきこんでいきます。失敗をしても「いいさ、いずれできる」とペレの肩に腕を回す。その姿は師であり友のようです。そんなペレとその父親とのやりとりを例に挙げ、秋田さんはこどもとの接し方について語ります。
「ペレの父親のように、子どもが自分の意思でサッカーをしたいと思えるように仕向てあげるべきだった。親のやくわりは、子どもがサッカーは楽しい、うまくなりたいと思える環境をつくってあげること。一緒にボールを蹴ってあげることもひとつ。また、チームに入って試合に勝ったり負けたり、試合に出たり出なかったりすると、もっとうまくなりたい、つよくなりたいという気持ちが芽生えてくる。それも環境をつくるひとつだと思います」
大切なのはこうしなさい、ああしなさいと言うのではなく、目標に近づけるように問いかけて気づかせてあげること。それが難しいと秋田さんは続けます。
「ぼくも最初は息子に“ああしなさい”“こうしなさい”と言ってしまいました。ぼく自身、親からサッカーのプレーについても言われていたので、それを子どもにもしてしまうんですよね」
でも、そうやって接していても子どもは秋田さんが思うようには成長しなかったと言います。それは当然のことだと秋田さんは言います。
「サッカー少年のお父さんお母さんには、サッカーのプレーについてではなく、考えかたや生きかたを伝えてほしいと思います。どうしたらサッカー選手になれるのか、どうしたらお父さんやお母さん、コーチが納得してくれるのか。子ども自身がそういう風に考えられるように仕向てあげてほしい」
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取材・文 出川啓太(サカイク編集部)