運動能力
【動画解説つき】あなたの子どもはできる⁉ サッカー少年が苦手とする3つのドリブルとその練習法とは
公開:2016年6月17日 更新:2023年6月30日
ドリブルのボールタッチがうまくなるためには、どうすればいいのでしょうか? これはサッカーをする子どもたちにとって、永遠のテーマでもあります。そこで今回は、元日本代表FWであり、現在はヴァンフォーレ甲府のフィジカル・コンディショニングコーチを務める谷真一郎さんにタニラダーを使った「ドリブルに役立つステップワーク」を教えてもらいました。ぜひ、親子で実践してみてください。リズムよく足を踏み変え、小刻みにボールタッチができる選手になりましょう(取材・文 鈴木智之 撮影 八木竜馬)
<<あなたの子はどのタイプ? 足が遅い子3つのタイプと足が速くなる理想の走りかた
■骨盤が起きた正しい姿勢なら、スピードに乗ったドリブルができる
谷さんはドリブルをするときの動きについて、次のように語ります。
「ドリブルの動きと速く走る動きは、密接な関わりがあります。以前の記事で、速く走るためのポイントは姿勢だということを、お話しましたよね。背筋を伸ばして、骨盤が起き上がった状態でドリブルをすることができれば、視野を広く保ったまま、スピードに乗ることができます」
スピードに乗ったドリブルをするために、重要なのが正しい姿勢です。そして「足のどの部位でボールに触るか」ということもポイントになります。
「ドリブルをするときに、足のつま先でボールに触ると、足首の動く範囲が狭くなるので、ボールタッチの細かな調節が難しくなります。また、後ろ重心の姿勢になりやすいので気をつけましょう。さらに、足の内側でボールを運ぶと、ガニ股のようになり、スピードに乗ることができないので、注意が必要です」
■つま先よりやや外側でボールに触ると、ドリブルのスピードが上がる
それでは、スピードに乗ったドリブルをするために、足のどこでボールに触るのが良いのでしょうか? 谷さんはFCバルセロナのメッシやレアル・マドリードに所属するクリスティアーノ・ロナウドも実践する、あるコツを教えてくれました。
「私がおすすめするのは、スウィートスポット(つま先よりやや外側、薬指のあたりの柔らかい場所)でボールに触るドリブルです。やってみるとわかると思いますが、薬指のあたりでボールに触りながらドリブルをすると、実際の走りの動作に近く、姿勢を保ったままスピードに乗ることができます。また、細かなボールタッチもできますし、上体が起きているので視野の確保も可能です」
■つま先外側タッチドリブル習得ラダートレーニング
それでは、ここからはラダーを使ったトレーニングで「つま先よりやや外側に当てるドリブル」の技術を高めていきます。使うのは、谷さんが考案した『タニラダー』です。
「まずはボールを使わずに、動作だけをトレーニングしましょう。ボールを使うと、どうしてもボールタッチに意識が行ってしまい、正しい身体の使い方を習得するのが難しくなります。技術習得の観点から言っても、まずは動作だけを身につけ、次にボールを使った動作を身に付けるという2段階に分けて取り組んだほうが、スムーズにできるようになると思います」
[やり方]
腕をしっかりと振り、左足はラダーの外側、右足はラダーの内側を踏み、ひとマスずつ走り抜ける
[ポイント]
右足のつま先を、ラダーのマスの左上角に向ける
[谷さんからのアドバイス]
ラダーのマスを踏む時、右足は進行方向に対して左上を向くように意識しましょう。ボールを使って練習をするとき、コツをつかむまでは、ボールが足の外側(アウトサイド)に当たってしまうことがあります。それは股関節が内側に入りすぎてしまい、足が横を向くことが原因です。そうなるとコントロールがきかず、身体が斜めになるので、進みたい方向にスムーズに行くことができません。必ず、足の薬指のあたりにボールを当ててドリブルをしましょう。
■メッシも得意な切り返しドリブルを習得しよう
続いてのドリブルは、足のインサイドとアウトサイドを使う「切り返し」と呼ばれるテクニックです。メッシなど、多くの選手がインサイドとアウトサイドを使った切り返しで、相手を抜いていきます。
■インサイド&アウトサイドタッチドリブル習得のラダートレーニング
[やり方]
ひとマスずつ交互に、右足をマスの中、外とステップを踏み変えて進んでいく。
[ポイント]
足の踏み変えのリズムを意識する。頭を下げて足元を見ないように、背筋を伸ばして遠く見て、腕を振る
[谷さんからのアドバイス]
インサイドとアウトサイドでボールを交互に触ることで、左右どちらでも行きたい方向に、スムーズに行くことができます。また、細かくボールを触ることで、瞬時のプレーが可能になりますし、ボールタッチを調整することでドリブルに緩急が生まれます。相手を抜くときに使えるテクニックなので、ぜひチャレンジしてみてください。
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