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ゴール前での1対1、シュートをキャッチかセーブか、GKの判断ミスで失点しないための状況判断を身につける方法

公開:2023年12月12日

キーワード:GKキャッチゴールキーパーシュミットダニエルシュートストップスターティングポジションスタート位置声出し澤村公康

サカイク初のゴールキーパー向けキャンプとして、リピーター続出なのが、澤村公康コーチによるゴールキーパーキャンプです。

日本代表のシュミット・ダニエル選手の恩師として知られ、サンフレッチェ広島時代には、日本代表の大迫敬介選手を開花させたことでも有名な、澤村コーチによるゴールキーパーキャンプは、2023年12月に開催予定です。

サカイクでは、澤村コーチによる「良いGKになるためのポイント」を紹介中。
※全4テーマ
①失点しないコーチング(味方への指示)
②失点しないためのポジショニング
③プレーの反応速度を上げる(ステップワーク、プレー予測など)
④状況判断能力を上げる ※今回はこちら

ラストとなる今回は④の「状況判断能力を上げる」についての解説です。判断力を上げるために、どのようなことを心がければいいのでしょうか?

ゴールキーパーとしてレベルアップしたい小学生に知ってもらいたい内容です。ぜひ保護者の方は記事の内容をお子さんにもかみ砕いて紹介してください。
(取材・文 鈴木智之)

 

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GKキャンプで選手たちと談笑する澤村コーチ

 

シュミット・ダニエル選手、大迫敬介選手を育てたGKコーチによるGKキャンプを開催

 

関連記事:GKの反応速度を上げるために大事なのは「人間観察」!? プレーの反応速度を上げるために必要な要素とは

 

■ゴール前での1対1、シュートをキャッチかセーブか、失点しないための状況判断を身につける

今回のテーマは「状況判断能力を上げる」です。ゴール前で相手選手と1対1になった時に、どう対応すればいいのか。飛んできたボールに対して、キャッチをするのかパンチングをするのかなど、プレー中に判断をくだす場面はたくさんあります。

相手選手と1対1になると、経験の浅いゴールキーパーほど「やばい」「失点のピンチだ」と思ってしまうのではないでしょうか。とくに、ゴールキーパーを始めたばかりのジュニア選手であれば、なおさらです。

しかし澤村コーチは「相手選手とゴール前で1対1になることは、ゴールキーパーからするとチャンスです」と笑顔を見せます。

「そこで止めると目立つことができますし、相手のチャンスを防いだ後は、こちらのチームに流れが来ることが多いです。1対1はピンチに見えますが、ゴールキーパーのプレーで試合の流れを変えるチャンスなのです」

 

■GKはフィールドの選手より1.5ぐらいアドバンテージがある、と語る理由

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さらに澤村コーチは「フィールドプレーヤーが1だとすると、ゴールキーパーは1.5ぐらいのアドバンテージがある」と言います。

フィールドプレーヤーは足しか使えませんが、ゴールキーパーは手と足を使うことができます。その時点で、どちらが有利かはおわかりですね。1対1ではなく、1対1.5とイメージしてもらうと、気分的にも楽になるのではないでしょうか」

相手にシュートを打たせないように、じっくり守っていると、味方選手がゴール前に戻ってくることもあります。そうなった場合、相手1対こちら2.5とカウントすることができます。

それを頭に入れておくと、1対1になったからといって「ピンチだ!」「やばい!」とむやみにボールにアタックに行くのではなく、相手にシュートを打たせないように、簡単には飛び込まない対応をしながら、味方が戻ってくる時間を作るといった選択肢も生まれることでしょう。

「ゴールキーパーの役割は『シュートを止めること』だと思いがちですが、大事なのはゴールを守ることです。それならば、時間をかけて味方が戻ってくるのを待ち、連携してゴールを守る、もしくはボールを奪いに行けばいいわけです。その考えはゴールキーパーである前に、ひとりのフットボーラーとして知っておいてほしいです

 

■GKが主導権を握るために大事なこと

前回の記事で「ゴールキーパーのプレーサイクル」を紹介しましたが、相手を観ることは、良い判断をするための第一歩です。澤村コーチは言います。

「僕は、プレーの主導権はゴールキーパーが持つべきだと思っています。シュートを打たれるのではなく、打たせる。その気持ちが大切で、主導権を握るためには、相手選手の特徴を把握することもポイントになります」

たとえば、相手FWは足が速いのか、遅いのか。小柄なのか、大柄なのか。テクニシャンなのか、そうでないのかによって、得意とするプレーは変わってきます。

「相手FWが足が遅いタイプであれば、1対1の場面でゴールキーパーは飛び出さず、じっくり相手を引き込むことで、味方選手の戻る時間を作るという選択肢もあります。それは相手にドリブルをされているのではなく、ドリブルをさせている、つまりこちらが主導権を握っていることになります」

試合終盤で相手が疲れているのであれば、相手にドリブルをさせて、疲労によってコントロールが乱れたり、スピードが出ないことを想定して対応するのもいいでしょう。

ゴールキーパーは、試合開始直後に相手の特徴をスカウティングすることが大事ですが、それも判断の精度を高めるためです。これはピッチ内だけでなく、日々の人間観察でも養うことのできる能力だと思います」

 

■良いGKは自分の考えを言葉で伝えることができる

澤村コーチは「ゴール前で堂々としているゴールキーパーは、見えているものが多い」と言葉に力を込めます。

「なんで、いまそういうプレーを選択したの? と質問をすると、『なぜならば~』と答えを持っています。相手がここにいて、味方がここにいて、時間帯はどれぐらいでと、あらゆる要素を元に判断し、決断する力は、良いゴールキーパーになるために必要不可欠なものです」

澤村コーチのゴールキーパーキャンプでは、ピッチ内外でのディスカッションを通じて「考えたことを、言葉にして伝える」ことにも力を入れています。

「良いゴールキーパーになるためにはリーダーシップが必要で、それはピッチ内だけでなく、日常生活でも意識できることです。そして前向きな、ポジティブな気持ちを持って、ゴールキーパーというポジションを楽しんでほしいですね」

  

■GKとしてのスキルが上がるキャンプを開催
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澤村コーチのゴールキーパーキャンプは、今月下旬に開催予定。この記事を読んで、少しでもピンと来たお子さん、保護者の方はぜひ参加してみてください。

ゴールキーパーとしてだけでなく、人として成長するためのきっかけを得られるキャンプとして、大好評のゴールキーパーキャンプ。

キーパー歴を問わず、サッカーが大好きで、もっとうまくなりたいという気持ちにあふれる選手たちの参加をお待ちしています。

 

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取材・文 鈴木智之

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