■ジュニア選手にとって理想的な栄養バランスとは
身体を構成する栄養素を摂取し、発育やコンディション維持の重要な役割を担う食事。子の代わりに親が筋トレをする訳にはいかないけれど、食事ならサッカーに必要な献立を親が考え、子どもに提供することできます。
そういう意味で、食事とは親が協力できる唯一のトレーニング手段なのかもしれません。この企画では、日々の練習後や試合前後に採るべき、食べるべき栄養素や献立など、ジュニア世代の選手に必要な食事のお話を全4回に渡り紹介します。
どんなスポーツでも資本となるのはその身体。多くのアスリートたちが日頃から食事に気を配るのは、コンディションやパフォーマンスと食事が密接に関わってくるからです。ジュニア世代にとってもそれは同様。ただ、「サッカーの場合、バランスの良い食事を採ることが何より重要」と鎌倉女子大学管理栄養学科准教授の田地先生。
「スポーツには瞬発的競技と持久的競技の2種類があり、どちらなのかによって摂りたい栄養素は変わってきます。例えば持久的でタフさが求められるマラソン選手、瞬発的で強靱な筋肉が必要な100m走の選手では、理想的な食事内容が大きく異なるのです。その点、サッカーは瞬発力と持久力のどちらの要素も必要なスポーツ。求められるのはとにかくバランスの良い食事です。特にジュニア選手は、何を置いても身体の発育が最優先。バランス良く、一日三食きちんと食べることが理想的な身体づくりに繋がっていくのです」。
バランスの良い食事とは、ごはん、パン、麺などの「主食」、肉、魚介、卵、大豆食品などの「主菜」、野菜、海草などの「副菜」、「牛乳・乳製品」、「果物」。これら5つの分類のすべてを大事にした食事のこと。「一番多く摂取しなくてはならないのがエネルギー源となる主食、その次が野菜などの副菜、3番目が肉魚などの主菜、そして乳製品と果物は少量ずつでも必ず食べるようにしましょう。大人のサッカー選手でもこのバランスを保って食べるのが望ましいです」と田地先生。