選手にとってケガ予防やパフォーマンス向上に欠かせないストレッチ。特に小学生年代のケガは「若いから大丈夫」「そのうち治る」と放置しがちですが、実はこの年代のケガは、将来まで引きずる可能性があり早いうちからのケアが必要です。
そこで今回は、最近の子どもに多い症例に合わせた予防ストレッチを、修徳学園女子サッカー部などあらゆるアスリートのサポートを行なう、まつなが鍼灸整骨院さんで教えてもらいました。動画付きですので、ぜひマネしてみてください。
■第二回目は『セーバー病』『シンスプリント』の予防ストレッチ
疲労などにより足の裏のアーチ(土踏まず部分)がつぶれると、運動の衝撃を吸収しきれなくなります。すると骨や関節・下肢の筋肉に負担がかかることで、これらの症状が発生すると考えられています。
セーバー病、シンスプリントともに、アキレス腱周囲や足の裏、腿から下の筋肉のストレッチをしてあげることで予防することができます。
【セーバー病(踵の痛み・成長痛)の豆知識】
・症状:過激な運動後に踵骨(かかとの骨)に痛みが出る。8~12歳に多い
・原因:成長期にダッシュやジャンプなどを繰り返すことで踵にストレスが加わり炎症を起こす。自分の足に合わないシューズを履くことで痛みを誘発することもある
・予防:アキレス腱周囲や足の裏をストレッチ(竹踏みも効果的)、アイシング
・対策:踵骨にかかる負荷を減らす、インソールやテーピング等で衝撃を減らす
・治療:医療機関で治療、電気治療、スポーツマッサージ、鍼灸
・注意:自分の足に合ったスパイクを履く、メーカーや外見などで購入しない
【シンスプリント(すねの痛み)の豆知識】
・症状:すねの内側下部分1/3に痛みが発生。筋肉が骨に付くラインに沿って起こる
・原因:ランニングやジャンプなどを反復することにより起こることが多い
・予防:アキレス腱周囲や足の裏をストレッチ(竹踏みも効果的)、アイシング
・対策:インソールを入れる、ストレッチ、テーピング、アイシング、竹踏み
・治療:医療機関で治療、電気治療・スポーツマッサージ・鍼灸
・注意:似た症状で脛骨(すねの骨)の疲労骨折があり、注意深い鑑別が必要
・この症状に悩まされた有名選手:松田直樹など
【基本方法】
・2人1組
・一つのストレッチは30秒前後
・呼吸を止めずに行います(おしゃべりをすると自然と呼吸をしながら行えます)
・強さはイタ気持ちいい(少し痛いけれど、気持ちがいい程度)がベスト
※ストレッチは急に行うと、症状が悪化したり、筋肉を傷めたりします。行う場合はゆっくりと行い、力を入れすぎないようにしましょう。特に子どもは、身体が柔らかく、想像以上に曲がることもありますが、負荷をかけすぎないように注意をし、無理をさせすぎないようにしましょう。
■【1】腓腹筋(ひふくきん)ストレッチ
ふくらはぎの筋肉をストレッチします。
<<ポイント!>>
・身体はまっすぐ
・ふくらはぎの筋肉が伸びていることを意識
・ふくらはぎを手の平で握ることで効果が増す
・外側、内側に角度をつけても行う
・角度をつけて行う際、すねの骨のきわが伸びていることを意識
・両足で行う
■【2】指先のストレッチ
指先を伸ばすことで、足裏の土踏まずをストレッチします。
<<ポイント!>>
・身体はまっすぐ
・かかとを手で固定すると伸ばしやすい
・両足で行う
以上。『セーバー病』『シンスプリント』の予防には、腿から下のストレッチが重要です。しかし、これらの部位は一人で行うストレッチではなかなか伸ばすことは難しいので、ここで紹介したように二人で行う方法をオススメします。
取材協力//
清和イレブンSC:森海峻くん(前列左)、萩田康太くん(前列右)
松永先生(後列左)、板場先生(後列右)
修徳学園女子サッカー部、同校柔道部トレーナーを務める先生たちが、通常の治療だけではなく、スポーツ障害やケア方法などの豊富な知識を広めるセルフケア教室やストレッチ教室なども行っている。
住所:葛飾区奥戸3‐6‐9 Tel:03-3694-5291
アクセス:JR新小岩駅からバスで10分
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取材・文・写真/サカイク編集部