■足首内反ねんざ予防(動きやすさ優先編)
[使用するテープ]
1
足首を直角に保った状態で、内くるぶしからかかとにかけてテープを貼ります。また、かぶれを防止するために1㎝ほどテープを浮かせ、テープをかかとにかけて引っ張りながら、外側のくるぶしを通します。くるぶしを通過したら、斜め上方向に貼ります。
2
すねのあたりまでテープを引っ張ったら、最初と同じように、テープの終わりは1㎝ほど浮かせます。
3
テープの最初と最後を押さえるように貼ります。
3の状態を外側から見ると写真のようになります。
4
1本目同様、2本目¥のテープも最初は1㎝ほど浮かせます。くるぶしの真下からかかとを通して、外側を真っすぐ引っ張りながら貼ります。
5
2本目もテープの最後も浮かせ、最初と最後を抑えるように貼ります。
6
3本目は、2本目の少し上からスタートさせます。かかとに向けて斜め下方向に引っ張っり、かかとを通過させたら外側のアキレス腱側に向かって貼ります。
7
外側から見ると、3本目のテープが2本目よりもアキレス腱側に出ていることがわかります。
8
4本目はかかとの真横からスタートし、かかとを通したら、すねの方向に引っ張りながら貼り、完成となります。これらはヒールを履く女性やハイキング、登山、ジョギング、ウォーキングをする方にも有効です。
9
これで完成となります。
■ふくらはぎの肉離れ予防
[使用するテープ]
1
ふくらはぎの肉離れしている部位から大人であれば上下5センチ、子どもならばふくらはぎの3分の2くらいの長さのテープを貼ります。動きを制限したい筋肉の上に貼ることが大切です。テープの両端はかぶれを防ぐために切れ目を入れましょう。
2
最初に貼ったテープの下部から、下から斜め上に向かって貼っていきます。
3
クロスさせて下から上へと交互に貼ります。ふくらはぎの上部へ向かって、最初のテープが覆われる程度に貼ります。下から上に貼るのは、末梢から血液を押し上げる意味があります。圧迫するには、下から上に引っ張り上げる方が良いのです。
4
最後にくっつくバンデージで巻き上げます。運動中に汗をかき、テープが剥がれてしまうのを防ぎます。ストッキングなどを履くようであれば、それでも対応可能です。
5
完成です。
※1アンカーとは…
テーピングの構成の基礎となる部分。1本目は、内側のくるぶしからひと握りのところに脚のカーブに沿って強く巻きます。2本目は、1本目の強さに合わせてテープの3分の1が重なるように巻きます。締めすぎに注意!
正面から見た図です。
※2スターアップとは…
内反を防止する役割を持ちます。アンカーの内側からかかとの下を通って外側へ巻いていきます。2本目、3本目はかかとの下で1本目とクロスするように巻いてください。完成時は3本のテープは扇形になります。
外側から見た図です。
いきなり子どもにテーピングをするのは……とためらう方もいらっしゃるでしょう。その場合は、まず自分の足で試してみるのもひとつの方法です。その場合は、前足部のみを椅子に乗せ、足首が90度になるようにキープした状態でやってみましょう。自分の足に巻くことができれば、他人の足にも巻くことは可能です。小学生くらいであれば、トレーナーがついているサッカーチームは少ないと思います。だからこそ、万が一の場合を考えて、親がテーピングを巻けるようにしたいものです。
なお、スポーツテーピングの基礎テクニックや巻き方などは、ニチバンのスポーツテーピング・メディカル情報の総合サイト「battlewin☆com(バドルウィンドットコム)」のホームページにて分かりやすく紹介されています。
野田哲由(のだてつよし)
了徳寺大学整復医療・トレーナー学科教授。日本体育大学卒業。山本郁榮先生の下でテーピング・アスレティックリハビリテーションなどを勉強し、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、鍼師・灸師免許を取得。(公財)日本体育協会公認アスレティックトレーナー。レスリング協会トレーナーとしてソウル五輪などに同行。その後、マツダ(株)サッカー部専属トレーナー、Jリーグ発足後はサンフレッチェ広島チーフトレーナー、アビスパ福岡チーフトレーナーなどを歴任
取材・文/石井宏美 写真・動画提供/battlewin.com スポーツテーピング講座