■水分補給の効果を劇的にアップする方法
適切な水分補給はサッカーのパフォーマンスアップにも重要。知らず知らずのうちに身体が乾く冬は特に差がつくと言うのです。
「人間の体重の50~60%は水分でできていて、子どものうちはさらにこの割合が高いことも知られています。これが1~2%下がるだけで運動時のパフォーマンスが低下して、試合でも練習でも実力を発揮できません。水分補給は冬にこそ効いてくるのです」
続けて田地先生は、せっかく水分を摂るのなら、効率の良い摂り方があると言います。
「水分補給をする場合はお水よりも電解質や糖分が入ったイオン飲料がいいでしょう」
イオン飲料は体内への吸収が早く、運動時や発熱時の水分補給に最適。しかもウイルスの侵入の予防にも良いと言うのです。
「乾燥とウィルスの侵入の関係はさきほどお話ししましたが、鼻やのどの粘膜にも、じつはイオン飲料がいいんです」
なんとなくただの水道水よりもいいかな? と思っていたポカリスエットですが、科学的に見ても、インフルエンザや風邪の感染のメカニズムから見ても思わぬ効果があるようです。
次回はイオン飲料の効用やインフルエンザ、栄養学に基づいた、食べるだけで風邪への免疫を高める食事についてお話をお聞きします。
田地陽一
東京家政大学栄養生理学研究室准教授。筑波大学大学院博士課程医学研究科修了。医学博士。日本栄養・食糧学会参与。専門は栄養学、スポーツ栄養学、運動生理学、分子生物学。東京武道館健康体力相談室でスポーツ相談員を経験。著書に『栄養生化学』(メヂカルフレンド社)、『動く、食べる、休むScience』(アイ・ケイコーポレーション)、『臨床栄養管理ポケット辞典』(建帛社)などがある。
取材・文/大塚一樹