最近、周りにゴホゴホと咳をしている人たちが増えていませんか?
一生懸命サッカーに励みながらも、この時期は、頭の片隅に入れて注意をしておかないといけないことがあります。
そう、今年も風邪やインフルエンザが流行する季節がやってきました。特にインフルエンザが流行するのは毎年11月下旬頃から年明けの3月頃まで。インフルエンザは高い感染力があるため、あまく見ていると知らぬ間に感染し、38℃以上の高熱を引き起こします。一度感染してしまうとしばらく外出はできなくなるので、大好きなサッカーも我慢しなければなりません。
ただ、インフルエンザは十分な予防をすれば発症する可能性を低く抑えられます。しっかりと予防をしていれば何も恐れることはありません。その予防策について、東京家政大学で栄養学を教える田地陽一先生にお話を伺いました。(取材・文 杜乃伍真)
■風邪対策の基本、ビタミンC摂取を意識していますか?
普通の風邪なのか、それとも高熱を引き起こすインフルエンザなのか。その初期症状はほとんど差異がないと言われています。その予防策についても「ほぼ同じ心構えでいれば大丈夫です」と田地先生は続けます。
「まず家に帰ったらしっかりとうがいや手洗いをすること、バランスの良い食事を摂ること、普段から適度な運動をすること、十分な睡眠をとること。つまり規則正しい生活を送ることが風邪の何よりの予防策になります」
風邪のウィルスを寄せ付けないためにも規則正しい生活を送ることがまず大前提。そのうえで、田地先生がお勧めするのが、日頃からビタミンCを意識して摂取することです。
「ビタミンCには風邪の炎症を抑えたり、もし風邪をひいてしまっても炎症を沈めたりする効果があります。喉の痛みを感じたときは、ビタミンCを摂取することで風邪を初期段階で軽減することができるでしょう。ビタミンCを気軽に摂取できる食べ物の代表としては、みかんですね。一日一個を摂取すれば十分です。朝食のときにフルーツとして必ず摂取するのをお勧めしたいです。キウイフルーツもビタミンCが豊富に入っているので非常にいいです。また、ビタミンCがたくさん入っている『CCレモン』のようなソフトドリンクも効果的だと思いますね。そういうソフトドリンクであれば、ビタミンCと同時に、水分もしっかり補給できるので一石二鳥なんです」
■インフルエンザ予防は水分補給がキモ
田地先生が言うように、ビタミンCを摂取することと同時に、水分を補給するという考え方が大事です。インフルエンザのウィルスは乾燥している状態がもっとも生息や繁殖しやすいからです。
「冬でもこまめに水分を補給するような習慣が大事ですね。サッカーの練習中でも20分か30分おきには必ず水分補給をするように心がけましょう。たとえば、市販されているイオン飲料は、運動によって失われるナトリウムなどのミネラルを適度に含み、カリウムイオンやマグネシウムイオンなどの電解質も入っています。中身が体液に近いので、水よりもすばやく吸収され、効果的に水分を摂ることができます」
そして、サッカーが終わって自宅に帰るときはマスクを着用する習慣を身につけましょう。
「外出するときはマスクを着用することもお勧めしたいです。マスクはインフルエンザのウィルスをブロックしてくれるのと同時に、鼻と口の周辺の湿度を高く保って、乾燥しない状態をつくってくれるので非常に効果的なのです」
■インフルエンザの予防接種って本当に効くの?
規則正しい生活を送るなかで、みかんなどからビタミンCを意識して摂取し、水分をこまめに補給するように意識する。これらが日常生活でできるインフルエンザ予防策となりますが、田地先生は「やはり一番の予防は、予防接種を打つこと」だと強調します。
「予防接種を受けることでインフルエンザをほぼ防ぐことができます。以前まではインフルエンザのウィルスの型と予防接種の抗体が合致しなければ効果がないような時代もありましたが、今の予防接種はどんなインフルエンザの型にも対応できるようになっているため、『今年のインフルエンザの特長は? 予防接種は効き目があるのだろうか?』などと心配する必要はありません。ぜひ受けてほしいですね」
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取材・文 杜乃伍真