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子どもの体を大きくするためにはマスト?牛乳について気になること

公開:2017年4月25日 更新:2021年1月27日

キーワード:サポート栄養母親父親牛乳食育

サッカー少年少女を育てるお母さんが、意識して子どもに摂らせたい食材ナンバーワンともいえる「牛乳」。でも最近は「アンチ牛乳派」の意見を耳にすることも多く、どう捉えるべきなのか気になるという方も多いのではないでしょうか。
 
そこで、栄養コンサルティング会社「Food Connection」の代表を務める橋本玲子さんに、牛乳の疑問についてお話を伺いました。(取材・文:小林博子)
 
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■成長期の子どもと牛乳は切っても切れない存在

お子さんが大きく強い体をつくるべく、積極的に飲ませているご家庭が多いことかと思います。
 
かくいう私もその一人。小学5年生の息子に、朝食時には必ず1杯飲ませ、夕食後は「ミロ」を混ぜたホットミルクを飲むことをノルマに。「とりあえず牛乳さえしっかり飲んでいれば、きっと大丈夫」と思っているほどだったりします。
 
ただ、最近は給食で牛乳を廃止した自治体のニュースを耳にしたり、アンチ牛乳論がSNSなどでシェアされてきたりすることもしばしば。「牛乳は本当に子どもの体にいいの?」と不安を感じていました。
 
今回お話を伺った橋本玲子さんは株式会社Food Connectionの代表を務めるスポーツ栄養のスペシャリスト。Jリーグの横浜F・マリノスではトップチームだけでなく育成世代選手の栄養サポートを行っています。サッカーキッズを育てる母親の一人として実際に気になるさまざまな質問をさせてもらいました。
 
前編である今回は、こんな質問について、詳しくお伝えします。
・アンチ牛乳論の真相は?
・牛乳を1日3杯飲めば本当にOK?
・牛乳は多く飲むほどいいもの?
・低脂肪乳などの加工乳や、常温保存できるものなどさまざま。どんな牛乳がおすすめ?
 
「牛乳を上手に活用した体を大きくさせる食生活のコツ」も教えてもらいましたので、後編でお伝えしたいと思います。
 

■怖い噂がたくさん...。牛乳は本当に安全ですか?

「母乳は赤ちゃんの時にしか飲まないのに、牛のお乳を毎日飲むのは不自然」
 
「戦後の栄養が足りなかった時代には栄養補助によかったけれど、飽食時代の現代には不要」
 
などの説には一見説得力がありますが、橋本さんによると「気にしなくてOK」とのほっとするお答えでした。
 
また、牛乳に成長ホルモンが残留していたり、遺伝子組み換えの肥料を食べた牛のお乳は危険というなど説も同様に心配するにする必要はないようです。そもそも、一般に流通している食材は、国で決めた使用基準と残留基準をクリアしたもので、摂取しても人体に安全なものしか市場には出てきません、と橋本さんは言います。
 
橋本さんは横浜F・マリノスの栄養講習会でも、「牛乳は安全な食材。ぜひ飲んでください」と伝えているそう。牛乳は飲まないよりも飲むメリットのほうが格段に多いと考えた考えたほうがよいようです。
 

■カルシウム摂取には牛乳はやっぱりマスト!

「牛乳は、成長期はもちろんのこと、成人にとっても必要な栄養素がぎゅっと詰まったすぐれた食材です」と、橋本さん。
 
牛乳で十分に充たされない栄養素はビタミンC、ビタミンD、鉄分、食物繊維で、そのまんべんなく含まれているのだとか。とくに、日本人の食生活で不足しがちなカルシウムが豊富なのだそう。日本人の食生活においてカルシウムは、どの世代も不足傾向にあることが、国民健康・栄養調査で報告されており、成長期にあたるジュニア世代には特に意識して摂らせたい栄養素の1つです。
 
とはいえ、カルシウムが含まれる牛乳以外の食材というと、ヨーグルトなどの乳製品、大豆製品、小松菜、小魚など。乳製品はともかく、それ以外の食品は、必ずしも子ども達が喜んで食べるものばかりではありませんよね。そこでやはり、牛乳は必要になってくるなるわけです。
 
そして、家計を預かるお母さんたちにとってもうれしいのが、栄養価に対するコストパフォーマンス。前述したように、牛乳コップ1杯にはさまざまな栄養素が詰まっています。生まれたばかりの子牛は、牛乳だけで成長するのですから、それもそのはずですよね。そんな栄養価の高い食材が1リットル200円前後で購入できることは、プロの栄養士さんが限られた予算の中でメニューを組み立てる給食で毎日出される理由のひとつだったりします。
 

■1日3杯牛乳を飲めば、カルシウムは完璧に摂れている?

よく聞く牛乳の摂取量の目安は「1日3杯(600ml)」。
 
橋本さんに適切な摂取量を伺うと、「サッカージュニア世代は、牛乳コップ3杯に加えて、日々の食事でカルシウムの豊富な食材を意識して摂ることが大切」とのことです。
 
じつは、牛乳のカルシウムの吸収率は、平均すると摂取量のたった40%。(他の食材はもっと少ない)半分以上は吸収されないのだとか。吸収率を高めるためには、ビタミンDやビタミンK、タンパク質などと一緒に摂取すると効果的で、組み合わせも考える必要があるようです。やみくもに牛乳を何杯も飲むより、さまざまな食材から栄養素を摂る工夫が必要です。
 
私たち母親は、調理時に魚や大豆製品、小松菜をつかったメニューを意識して作るとよさそうです。もちろんおやつに小魚を食べたり、2杯目は納豆ご飯にするなど、簡単に取り込む方法でもOKだそうです。
 
次ページ:牛乳は飲めるだけ飲んでも大丈夫?

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取材・文:小林博子

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