■家庭の冷凍庫はタイムカプセルではないことを心得て
(旬の栄養価がギュッとつまっているから、積極的に活用してほしいと川端さんは言います。)
鮮度を閉じ込めたままでキープできるので、冷凍食材は万能な食材のように感られるかもしれませんが、残念ながら家庭の冷凍庫は業務用と同等のパワーはないため、自宅に持って帰ってきてからの食材は冷凍庫の中でゆるやかに劣化していくのだそうです。
そのため、冷凍庫に入れておけば何か月も持つとは考えず、賞味期限内に食べた方がよいと川端さんは教えてくれました。
また、生の野菜よりも割高であるケースもありますし、すべての食材を冷凍品で済ませるのには無理があります。野菜の価格が高沸しているときや、下処理に手間がかかるものだけを冷凍食材にするなど、上手に併用するのが賢い活用法といえそうです。
すでに冷凍食材として製造・販売された商品だけでなく、余った食材などを冷凍することもあるかと思いますが、その場合は「使う分だけ小分けにする」「2週間を目安に使い切る」ことがポイントだそう。
家庭の冷凍庫は業務用のように急冷できないため、市販の冷凍食材と同じと考えるのは無理があるそう。冷凍してしまえばいつ食べても大丈夫だと思ってしまいがちですが、家庭で冷凍した野菜などの食材の期限はおおむね2週間だそうなので、早めに食べるように心掛けた方がよいとアドバイスをしてくれました。
次回は冷凍食品の中でも、ハンバーグなど調理済みの食材について、上手な選び方や活用法をご紹介します。
川端理香(かわばた りか)/管理栄養士
スポーツ栄養WATSONIA代表。元日本オリンピック委員会強化スタッフ。2004年アテネオリンピックでは「VICTORY PROJECT」のチーフ管理栄養士として、2008年北京オリンピックでは強化スタッフとして全日本男子バレーボールチームのサポートを行う。
Jリーグでは、これまで浦和レッズ、東京ヴェルディ1969、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、FC岐阜、コンサドーレ札幌などのトップチームや、横浜FマリノスやFC東京などの個人選手や、プロ野球選手やプロゴルファーなどのサポートも行っている。また、企業の栄養アドバイザーや大学、専門学校の講師を務めるなど多岐にわたって活動。
著書に『サッカー選手の栄養と食事』『子どもの身長を伸ばす栄養と食事』『10代スポーツ選手のケガ予防の栄養と食事』(大泉書店)、『カラダの悩みは食べ方で99%解決する』(ゴルフダイジェスト社)など多数。
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文:小林博子