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健康と食育

身体作りと疲労回復にテキメン! ビールのお供の"アレ"が子どもの補食に最適なワケ

公開:2018年2月 9日 更新:2023年5月 9日

キーワード:たんぱく質枝豆栄養納豆豆乳身体を大きくする食育

元日本オリンピック委員会強化スタッフで、現在はスポーツ栄養WATSONIAの代表としてプロスポーツ選手から企業まで広く栄養サポートをしている管理栄養士、川端理香さんに食事の大切さを教えていただきます。

前編では、体づくりの唯一の植物性タンパク質である豆製品の大切さと、そして豆製品でもよく主菜や副菜としてとりいれることの多い豆腐についてお話をしました。

豆腐といっても種類によって栄養素が違うことがわかり、びっくりされた方もいらしたかもしれません。

この「へえ!」という知識は、ぜひ保護者の方だけでなく、食事をする選手にも伝えてほしいものです。

知識が増えると、食事に対して意識が生まれることにつながるからです。また子どもとの食事の会話、コミュニケーションとして、ぜひこういった「へえ!」の知識を活用していただければうれしいです。

<<関連記事:木綿と絹、強い身体を作るのにおすすめなのはどっち?

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(ビールのおつまみのアレが疲労回復に効く。 ※写真はサカイクキャンプ)

 

■納豆に含まれるビタミンKは骨を作るのに欠かせない

まず納豆です。
納豆は発酵食品です。発酵食品ときいただけで身体によいイメージが浮かぶかと思いますが、発酵食品をとることで腸内環境がよくなります。

気温がグッと下がったり逆に上がったりする季節の変わり目は、体調を崩しやすかったり、もしくは風邪などが気になったりもします。こういう時はタンパク質をしっかり摂りたいのですが、免疫力に関与するのはそれだけではありません。

実は腸内の環境をよくすることが、良いコンディションをキープするためには大事なのです。

そのためにお薦めなのが納豆です。納豆を食べるとお腹がゴロゴロと動き出すという選手がいますが、便秘の予防や解消に奨められるように、腸内環境を良くするのです。

さらに納豆には他の豆製品よりもビタミンKという栄養素が多く含まれます。ビタミンKは骨を作るために必要な栄養素で、骨を作るのにはタンパク質とカルシウム、そしてこのビタミンKの組み合わせがポイントです。

見た目を意識する選手が多いのですが、身体の中から強くするためには納豆はお薦めです。

 

■おなじ「豆乳」でも調整豆乳と無調整豆乳は成分が全く違う

次に豆乳です。色が似ていて売り場も近いせいなのか、牛乳と豆乳が混乱している選手も実際います(笑)。指摘すると乳製品と豆製品の違いに簡単に気づくのですが、おもしろいものです。

豆乳には、調整豆乳無調整豆乳があります。一般的に飲みやすいと言われているのが調整豆乳で、コンビニに置いてあるものもほとんどがこちらです。

ただし選手にはやはり無調整豆乳がお薦めです。「無調整豆乳は豆腐みたいだ!」と選手がいうように、豆だけが原材料のものが無調整豆乳です。調整豆乳はのみやすいように糖や油が加えられています。同じ豆乳なのですが全く成分が違うのです。

普段、油を控えていたり、甘いものを控えている選手でも、うっかりするとこの違いに気づかずに調整豆乳に手を伸ばしているときがあります。豆乳=身体にいいというイメージがそうさせているようです。

これは豆乳に限ったことではなく、他の食品でもよくあることです。ネーミングが似ていたり、パッケージに「○○100個分の栄養素入り」などと書いているとなんだかすごく良い商品に見えてくることはありませんか?

大事なのは中身です。原材料で選ぶ習慣をつけましょう。

 

■子どもの間食にもGood。疲労回復成分がギュッとつまった「枝豆」

そして最後は枝豆です。
実は枝豆は、身体づくりだけでなく、疲労回復のための栄養素もぎゅっとつまった食材です。またこれは冷凍でも構いません。冷凍の場合、解凍してすぐ食べれますし、さらに比較的安価なので、料理をする保護者の方にとってもうれしい食材でしょう。

枝豆はビールのおつまみのようなイメージが強く、栄養のセミナーでもこの話をすると驚かれる保護者の方が多いのですが、練習量が多く作っていた食事量では足りない場合にすぐプラスできますし、さらには選手の間食として取り入れることもお薦めです。冷凍庫に常備しておくと困ったときのお助け食材としても大活躍します。

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(食事の大切さを選手自身が理解することが大事です。親は「説明」という手助けを。 ※写真はサカイクキャンプ)

 

また慣れないうちは、間食で枝豆がでてきたらもしかしたら選手はびっくりするかもしれません。間食で出す場合は、身体をつくる植物性タンパク質と疲労回復のビタミンB1が一度に補給できるということを伝えてあげましょう。理由がわかった選手は意欲的に食べるようになり、保護者の方が忙しくて手が回らない時にも、自主的にたべるようになるかもしれません。

食事は保護者がやってあげる、ということだけではなく、最終的には食事をする選手自身が行動する自立が大切です。

ちょっとした説明がその意識につながります。


やってあげることの方が楽なこともありますが、自立につながるサポートが食事の面では大切だったりします。

ぜひ実践してみてください。

 

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川端理香(かわばた りか)/管理栄養士
スポーツ栄養WATSONIA代表。元日本オリンピック委員会強化スタッフ。2004年アテネオリンピックでは「VICTORY PROJECT」のチーフ管理栄養士として、2008年北京オリンピックでは強化スタッフとして全日本男子バレーボールチームのサポートを行う。
Jリーグでは、これまで浦和レッズ、東京ヴェルディ1969、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、FC岐阜、コンサドーレ札幌などのトップチームや、横浜FマリノスやFC東京などの個人選手や、プロ野球選手やプロゴルファーなどのサポートも行っている。また、企業の栄養アドバイザーや大学、専門学校の講師を務めるなど多岐にわたって活動。
著書に『サッカー選手の栄養と食事』『子どもの身長を伸ばす栄養と食事』『10代スポーツ選手のケガ予防の栄養と食事』(大泉書店)、『カラダの悩みは食べ方で99%解決する』(ゴルフダイジェスト社)など多数。
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文:川端理香

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