健康と食育
勉強机の配置で視力低下は防げる! サッカーに役立つ「広い視野」も身につける家でできるビジョントレーニング
公開:2018年4月 5日 更新:2018年4月10日
キーワード:ビジョントレーニング判断力脳視力低下視力矯正
パーソナル・グラス・アイックス取締役で眼の専門家としてプロ野球ソフトバンクホークスを始め多くのスポーツ選手に眼に関する指導を行う小松佳弘さんにお聞きする視力とスポーツの関係性。
前回は、視力の重要性について話を伺いましたが、今回は視力低下をどうすれば防げるかを伺いました。
(取材・文:森田将義、写真:森田将義、サカイクキャンプ)
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■視力低下は、意識の変化で防げる
視力は一度下がってしまったら、上げることはできません。ですが、維持したり低下を予防することが出来るのです。
(現在の視力キープは生活習慣で可能。2時間以上太陽の光を浴びることでも近視が進みにくいそう)
視力が低下する原因として挙げられるのは、生活習慣。最近の子どもたちは近くで物を見る機会が増えていると小松さんは話します。
書物であれば、眼から40cm離れた状態が適正距離でしたが、スマートフォンやタブレットパソコン、ゲーム機など電子機器は画面の文字が小さく、眼から25cm離れた距離で見るように想定されています。わずか、15cmの差と思われるかもしれませんが、そのわずかの差によって、眼に与えるストレスはグンと上昇。近くが見えやすい眼にしてした方が楽だと脳が判断し、近視が進むことで、遠くが見えづらくなってしまうのです。
ただし、電子機器は今や日常生活に欠かせません。ニュース記事や動画サイトの閲覧などは、基本的に個人的関心のもと閲覧することが多いと思いますが、中には同級生との話題に遅れないためにも「見ておかなければ」という意識になっている子もいるかもしれません。情報、通信(電話やメールなど)ツールとして便利なものですが、いち選手の映像を見て、プレーの勉強をしている選手も多くいるでしょう。
電子機器に触れないのは難しくても、1時間電子機器を見れば、しばらく窓の外を眺めて眼の緊張をほぐすなどちょっとした気遣いで、近視の進行は防げます。
また立て続けに勉強するなどして眼の疲労が激しい場合は、暖かいおしぼりを瞼に置くだけで緊張が緩和されます。2時間以上、太陽の光を浴びることでも近視が進みにくいと言われるのは、サッカー選手にとって嬉しい話です。
■勉強机の向きを変えることで視力をキープ
(顔を上げた時に自然と遠くを見ることができる配置にするのがおすすめ)
そして、生活環境の見直しも視力にとって有効です。壁に向かって、勉強机を置く家庭が多いのですが、遠くを見ることができないため、近視を進めてしまう可能性があると小松さんは指摘します。おすすめは、会社でよく見られる島型のように部屋の中央に勉強机を設置する方法。顔を上げた際に自然と遠くを見られるようにする環境が良いそうです。また、遠くの景色を見るために窓に面して勉強机を置くのも良いかもしれません。
食生活も、視力低下の予防に欠かせません。サッカーのような野外スポーツは、砂埃などで目を傷めることも多く、目や脳のある細胞膜の原料になるDHA(ドコサヘキサエン酸)をはじめとする「オメガ3(n-3)系脂肪酸」の摂取がおススメです。
スポーツ選手を対象とした調査では、DHAの摂取が動体視力の改善に有効であると認められました。小松さんのおススメは、DHAが豊富なイワシやサバなどの青魚やマグロの摂取。オメガ3が豊富なエキストラバージンオリーブオイルを、加熱せずにドレッシングとして使うのも有効だそうです。