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喘息発作は寒暖差でも起きる! 喘息が出ないために家の中でできる対策とは

公開:2020年12月17日

キーワード:インフルエンザコロナウイルスストレスビタミンDマスク免疫を高める免疫力口腔ケア喘息大谷院長日光歯磨き池袋大谷クリニック風邪

医師として休めない日々を送る池袋大谷クリニックの大谷義夫院長。前編では免疫力のお話をうかがいました。

私たちの家庭でもすぐできる、先生が実践している生活様式や、最近子どもたちの間にも増えている「喘息」について呼吸器の専門家である院長に予防策などを教えていただいたのでご紹介します。

 

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サッカー少年にも多い喘息。なるべく発症しないよう、家庭でできる対策とは? 写真は少年サッカーのイメージ

 

<<前編:風邪、インフルエンザ流行前に知っておきたい、免疫力キープの方法

 

■ウィルス対策には喉のケア、部屋の湿度が重要

前編でお伝えしたように免疫力とは、ウィルスなどの病原体を身体の中に入れないために防御する力です。

免疫力があるから、風邪のウィルスを撃退するために扁桃腺が腫れるのです。免疫力が低下するとウィルスが気道の奥まで侵入して肺炎を生じてしまうリスクもあるのです。

喉の免疫を保つために重要なのは喉を潤す事。そのために室内は50~60%の湿度を保つといいのだそう。

喉の線毛の働きが良くなり、ウィルスを排出しやすくなります。また、ウィルスをエアロゾル化しにくくなるので、長く浮遊せず、飛沫も小さくなりません。湿度を保つことで、喉の免疫に有利な状況が作れるのです。また、喉の乾燥予防に飴をなめたり、水分を取ることも効果的だそうです。

 

■歯磨きは毎食後+寝る前、朝食前で1日4回以上。口腔ケアも大事

また、口腔ケアも大事なポイントなのだそう。毎食後はもちろん、寝る前と朝起きて朝食の前にも歯磨きをすることで口腔内から細菌を追い出すことができるそうです。

中でも大切なのは寝る前なのだと大谷院長は言います。夜間は唾液が減って細菌が増えるので、口の中の細菌を減らすことがポイントなのだとか。それでも朝には細菌が増えているので、朝起きてからの歯磨きも習慣にしてほしいとも提唱します。

さらに、ビタミンD値を保つために、日光に当たることも大切なのだとか。子どもたちは通学時間などで十分日光を浴びる時間がありますが、大人も散歩などで日光浴をしましょう。

 

■風邪は喘息の天敵! 喘息の子は治療を続けること

この50年ほどで喘息患者は増加しています。今では咳だけでの喘息である咳喘息を含めた喘息有病率は、全人口の10%と言われているそうです。

喘息の子にとって特にこの時期は注意が必要です。今年は新型コロナウイルスの感染予防策として常にマスクを付けているため、喉の湿度が保たれるのか、喘息の発作が出にくくなっているようですが、体調がいいなどといって、治療をやめてしまわないことだと大谷院長は言います。

喘息発作のリスクも上がるので予防薬は続けることが大切なのだそうです。

喘息の発作の原因は、風邪、寒さ・寒暖差、ホコリ、疲労・ストレスなど多岐にわたります。

風邪から喘息に移行、という経験を持つ方も少なくないのでは。喘息の発症を抑えるためにも風邪をひかない体調管理が大事と言えるのです。

家の中でできる注意として、冬場は脱衣所やトイレなど家の中でも寒暖差が激しくなると、発作のキッカケになりますので、可能であれば家の中のどの場所も温度を一定にできると良いそうです。

また、小児喘息の2/3は治りますが、1/3は大人の喘息にそのまま移行。いったん治っても大人になって再発するケースもたくさんあるのだとか。そして大人の喘息は完治できるのは2割程度で、多くの人にとって喘息は治らない病気なのだそう。

咳が続くのは苦しいので喘息はできれば発症しないか、症状が軽く済んでほしいもの。ですので、今年の冬は体調管理や寒暖差など、出来る範囲の対策をして予防に努めましょう。

今年は咳が出たら新型コロナウィルスを疑うことになります。PCRで陰性にならないと診察もできないので、出来る限りの予防をすること。咳の予防のためにも治療を続けることが大前提です。

 

 

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大谷義夫(おおたに・よしお)
医学博士、池袋大谷クリニック院長
東京医科歯科大学 第一内科、呼吸器科、睡眠制御学講座において21年にわたり内科疾患、呼吸器疾患、アレルギー疾患、睡眠医療に従事。2005年に東京医科歯科大学呼吸器内科医局長に就任。2009年に東京医科歯科大学呼吸器内科兼睡眠制御学講座准教授就任。呼吸器内科の専門医として2009年に呼吸器とアレルギー領域の診療に特化した池袋大谷クリニックを開院。「絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理」「疲れやすい、痩せにくいは呼吸が原因だった」など著書多数。テレビなどのメディアでも呼吸器内科の専門家として医学的知見からアドバイスを送っている。

(取材・文:前田陽子)

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