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健康と食育

「皮膚のケアに気を配りながら、サッカーを頑張ってほしい」子どもたちの健やかな成長を願う、『ムヒ®』でおなじみ池田模範堂の想い

公開:2024年12月26日

乾燥が強まる冬において、とくに気をつけたいのが肌トラブル。そこで今回は『ムヒ』でおなじみ、株式会社池田模範堂 研究開発部 医薬情報グループの堀田さんにサッカーをする子どもたちに向けた、スポーツ時の肌ケアについて、話をうかがいました。寒い季節にサッカーライフを送る上で、参考になること間違いなしです!(取材・文 鈴木智之)

■乾燥肌に気をつけよう!

Q:まず、御社の事業内容と歴史について、お聞かせください。

A:弊社は薬局・薬店・ドラッグストアで販売されているOTC医薬品の製造・販売を行っている会社です。代表的な製品としては『ムヒS』や『液体ムヒS』『アセムヒEX』などのかゆみ治療薬、肌トラブル用商品、お子様向け商品など、幅広いラインナップを展開しています。販売地域は国内はもちろん、アジア圏を中心に海外でも事業展開を進めています。

歴史としては、1909年(明治42年)に、創業者が富山県中新川郡上市町(とやまけんなかにいかわぐんかみいちまち)で、家庭配置薬販売を始めました。そして1914年(大正3年)に『池田模範堂』という称号を掲げ、1926年には現在の主力製品である『ムヒ』の製造を開始しました。もうすぐ『ムヒ』は、製造開始から100周年を迎えることになります。

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Q:冬場特有の子どもの肌トラブルには、どのようなものがありますか?

A:代表的な肌トラブルが乾燥肌です。お子様は大人に比べて皮膚のバリア機能が弱く、皮脂の分泌量も少ないため、乾燥しやすい傾向にあります。乾燥肌になると「かゆみ神経」が敏感になってしまい、普段なら気にならないような刺激でも、かゆみを感じやすくなります。特にお子様はかゆみを我慢することが難しく、かきむしってしまいがちです。その結果、湿疹ができたり、特に小学生未満の小さなお子様の場合は、とびひなどの感染症につながるリスクもあります。

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汗による肌トラブルにも注意が必要です。汗自体は悪いものではありませんが、長時間放置すると肌トラブルが起こる場合があります。汗そのものが皮膚に刺激を与え、炎症を起こすことがありますし、汗で皮膚がふやけることで、外部の刺激物が皮膚の中に入りやすくなります。さらに、汗をかいたことによる皮膚の湿潤環境や運動による皮膚表面温度の上昇は、細菌の増殖に適しており、スポーツ時にできた傷口から感染するリスクも高まります。これらを予防するためには、こまめに汗を拭いたり、着替えが有効です。

■しもやけに注意

Q:ほかに、気をつけたいことはありますか?

A:冬場特有の問題に、しもやけがあります。寒さによる血行不良と、運動による急激な血行改善の繰り返しで、特に手足や耳などにしもやけが起こりやすくなります。さらに、汗をかいて濡れたままにしておくと、水分が蒸発する際の気化熱により皮膚の温度が下がってしまい、しもやけの原因となることがあります。

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しもやけは血管周囲の皮膚に起こる炎症なので、抗炎症薬での治療が効果的なのですが、このことはあまり知られていないかもしれません。予防としては、手袋や帽子、耳当ての着用が効果的です。また、きつい靴は血行を妨げる原因になりますので、サイズにも気を付けていただけたらと思います。

■防寒具で乾燥肌対策

Q:寒い季節、試合や練習の前後で気をつけるべき肌ケアのポイントは?

A:河川敷など、風が強く吹く環境では、露出している頬や耳、手などが乾燥しやすく、お子様の場合は特に「耳切れ」や「あかぎれ」といった症状が起こりやすくなります。

予防対策としては、まず手袋や帽子、耳当てなどの防寒具を着用すること。お子様の場合、練習前の保湿ケアという習慣づけは難しいかもしれませんが、ワセリンを使用するのも効果的でしょう。ワセリンは顔全体や唇にも一度に塗布できるため、お子様でも手軽にケアができます。

Q:子どもの年齢や成長段階によって、肌トラブルの特徴や対処法に違いはありますか?

A:小学生くらいになると、皮膚のバリア機能は比較的しっかりしてきますが、乾燥しやすい傾向は続きます。そこに運動による発汗が加わることで、様々な肌トラブルが起きがちです。

汗対策としては、着替えを用意することはもちろんですが、見落としがちなポイントとして、髪の毛の処理があります。髪の長いお子様の場合、汗で濡れた髪が皮膚に触れることでトラブルの原因になることがあるので、髪をまとめることをお勧めします。また、爪を短く切っておくことで、無意識な掻き傷も防げます。

アトピー性皮膚炎のお子様の場合は、特別な注意が必要です。アトピー性皮膚炎がある場合、汗を出す管(くだ)が十分に発達していないことが多く、うまく汗をかけないことがあります。そのような状態で急に運動を始めると、汗が皮膚内に漏れ出して炎症を起こすことがあります。アトピー性皮膚炎のお子様や運動習慣のないお子様は、最初は軽い運動から始めて、徐々に体を慣らしていくことをお勧めします。日常的なケアとしては、練習後にしっかりと汗を拭き取り、入浴後の保湿を習慣づけることが大切です。

■子どもも水虫になる可能性が

Q:チームスポーツならではの肌トラブル予防として、監督やコーチに伝えておきたい注意点はありますか?

A:基本的なポイントとして、汗はこまめに拭き取り、濡れた服は長時間着用せず、できるだけ早く着替えるようにすると良いですね。また、意外と知られていませんが、お子様でも水虫になることがあります。特にサッカーのように、長時間靴をはいて足裏が蒸れやすいスポーツではなりやすいのかなと思います。

予防としては、きつすぎない靴を選ぶこと、靴を2足用意して交互に使用し、乾燥させること、こまめな靴下の履き替えなどが効果的です。

水虫などの感染症予防の観点から、シャワールームの床やバスマットなどの共有スペースの衛生管理にも、気を配る必要があります。特にサッカーなどでケガをした場合、傷口から感染するリスクが高まりますので、より一層の注意が必要です。

また、すね当てによる摩擦皮膚炎や、ユニフォームのこすれによる首元の湿疹など、用具や衣服による肌トラブルにも気をつけてください。これらを予防するために、サイズや素材の選択、着用時間などにも配慮していただけたらと思います。

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■自分の子どもに使いたい商品を開発

Q:冬場の肌トラブル予防に効果的な、スキンケア商品の選び方、使い方のアドバイスをお願いします。

A:冬場の肌ケアで最も重要なのは保湿です。商品選びのポイントとしては、冬場であればさっぱりタイプよりもしっとりタイプを選ぶことをお勧めします。薬局やドラッグストアで、季節に応じた商品が用意されていますので、それらを参考にしていただければと思います。

運動前であればワセリンの使用が効果的です。ご家庭ではお風呂上がりに保湿剤を塗ることで、効果的なケアが期待できます。

Q:池田模範堂さんの商品開発において、子どもたちの声、家族からのフィードバックをどのように活かされていますか?

A:弊社では、商品開発の段階で社内インタビューを積極的に行っており、「こんな悩みはありませんか?」といったアンケートや、ご協力いただける方々からの声を直接伺う機会を設けています。

お子様向け商品については、初めて医薬品のパッケージでキャラクターを採用しました。アンパンマンキャラクターの商品を展開しています。これは、薬に対する子どもたちの心理的なハードルを下げる効果を期待してのことで、「アンパンマンと一緒に治そう」という前向きな気持ちで使用してもらえるよう工夫しています。

また、具体的な改善例としては、絆創膏の開発が挙げられます。当初は通常サイズの絆創膏のみでしたが、「子どもはすり傷が多く、大きな傷になりやすい」というフィードバックから、大きいサイズを開発しました。このように、「自分の子どもにも使いたい商品」という視点を大切にしながら、開発を進めています。

■皮膚のケアにも気を配りながら、サッカーを頑張ってほしい

Q:冬のシーズン、スポーツを楽しむお子さんとご家族に向けて、メッセージがありましたらお願いします。

A:寒い季節は引きこもりがちになってしまいますが、スポーツを通じていい汗をかいて、質の良い睡眠をとることは素晴らしいことだと思います。スポーツは肉体面だけでなく、精神面も磨かれる活動だと思いますので、皮膚のケアにも気を配りながら、サッカーを頑張ってほしいなと思います。

今回の取材を通じて、私たちも多くの気づきがありました。今後はスポーツをされる方々の視点や、お子様が使いやすい商品開発にも力を入れていければと考えています。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

※「ムヒ」は池田模範堂の登録商標です。

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取材・文 鈴木智之

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