サッカーを観て学ぶ
メッシがボールを持っていない時の動きに注目!CL決勝戦の賢い見方
公開:2015年6月 5日 更新:2020年3月24日
■攻撃の深さをつくるスアレスの役割
4-3-3で攻撃をする時に大切なのが、「幅と深さ」を作るポジショニングです。メッシもネイマールも、サイドよりも中央でプレーするのが得意な選手なので、どうしても相手選手も中央に密集することになります。そうなると、相手は守備ブロックを作りやすくなり、バルサとしては狭いスペースを攻略しなければなりません。現在のバルサでは、メッシやネイマールが中央に入り、サイドにできたスペースをサイドバックのダニエウ・アウベス、ジョルディ・アルバが使って、攻撃時の幅を作り出しています。
バルセロナがバイエルン・ミュンヘンと戦った、準決勝ファーストレグの1点目。サイドでアウベスが幅をとり、相手の注意を引きつけて、メッシが中央でフリーになりました。メッシは首を振って周りを観て、マーカーがいないことを確認して、ボールを受けています。認知、判断、実行の流れがすばらしく、正確なシュートでゴールを決めました。2点目のボアテングをドリブルで“倒した”場面も、ボアテングはメッシが中央へ切れ込むと判断し、中のコースを切る対応をしていました。そこでメッシはボアテングの逆を突き、右側に切り返して縦に突破したのです。相手の判断を読み、逆を突くインテリジェンスとテクニック、スピードが融合したゴールでした。
そして、攻撃時の高さを作るのがスアレスの役割です。彼は前線で相手の最終ラインの背後を突く動きを繰り返すことで、ディフェンスラインを下げさせる役割を担っています。そうしてできた、最終ラインと中盤のラインの間のスペース、通称「バイタルエリア」をメッシやネイマール、イニエスタが使って攻めていくのです。
スアレスはチームにとってゴールをもたらす動きもできて、味方へのサポートもできます。
ペナルティエリアでの能力も高いものがあります。パーソナリティ的にも傲慢ではなく謙虚、自分の役割を理解し、チームの為にプレーできる選手です。
■彼らのオフ・ザ・ボールの動きに注目
チャンピオンズリーグの決勝戦では、バルセロナのトリデンテがユベントスの守備をどう攻略するのか。そこは大きな見どころになるでしょう。親子で一緒に見るときは、メッシやネイマール、スアレスがボールを持っていない時にどう動いているか。ダニエウ・アウベスやジョルディ・アルバはどこにポジションをとり、攻撃の幅を作り出しているかにも注目してみてはいかがでしょうか。観て学ぶことも「賢い選手になるため」に大切なことなのです。
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