■バルサもいいけど、身近な地元チームの応援もいい
「特に私が大事だと思うのは、『ファンになる』ということなんだ。ファンになってチームの試合を見ると、世界がぜんぜん違うんだ。情熱的になるし、興味もどんどん大きくなる。結果を楽しみにするし、試合を一生懸命見る。そうすることでいろいろなことを学ぶんだ。どんなプレーをしているのかちゃんと見ようとするからね。中立的な立場で見る試合とはぜんぜん違うはずだ」
もちろん、だからといって無理にでもファンにならなければいけないわけではありません。好きになる気持ちは自然に生まれてくるものですから。でも、遠い世界のトップチームにばかり目をやるのではなく、身近なJリーグにもっと目を向けてもいいかもしれません。皆さんの心を揺さぶるすばらしいクラブがあるはずです。J1が回りになくても、J2、J3、JFL、大学サッカーなど、サッカーの世界はいろいろなところに広がっています。
「日本でサッカー少年向けのスクールをしていて驚くのは、マンチェスターユナイテッド、バルセロナ、バイエルン・ミュンヘン、ドルトムントのファンの子が多いこと。それが悪いわけじゃない。でも地元クラブのファンでもいいんじゃないかと思うんだ。日本ではプロクラブが子どもたちを熱狂させることが大事なのだと思う。そうすれば試合を見に行きたい子どもも必ず増える。コーチや両親は試合を観に行く機会を作ることも大事になる。そこで自分のアイドルのプレーを見ることができれば、多くのことを学べるだろう」
欧州とはサッカーの歴史が違うというのは変えがたい事実です。学ぶべきこともたくさんあるでしょう。でも日本のサッカー界にも素晴らしいものはたくさんあります。世界最高峰の選手がいなければ、熱狂できないなんて寂しいではないですか。ステージ、カテゴリー、レベルに関係なく全身全霊で戦い抜く選手の姿に僕らの心は震えるはず。さっそく次の週末、子どもたちがきらきら目を輝かせて、スタジアムで大きな喜びをかみ締めるきっかけを作りに出かけてみてはいかがでしょう。
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取材・文 中野吉之伴 Photo by Achim Hepp