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「息子のサッカーのプレーについてはコーチにお任せする」元日本代表FW・北嶋秀朗の父親論

公開:2015年12月29日 更新:2023年6月30日

キーワード:ロアッソ熊本北嶋英朗子育て父親

■人のせいにせず、つねに自分に矢印を向けるようにしなさい

――子どものころは、自分がうまくプレーできないことを、人のせいにしてしまうことってありますよね。「あいつがパスをくれないから」と人のせいにしたり。
 
それも言わせないようにしています。「つねに自分に矢印を向けるようにしなさい」と言っています。というのも、僕が小学校のときに所属していたチームのコーチが、味方への振る舞いについて指導をしてくれていたんですね。たとえばチームメイトへの文句ってありますよね。特に小学生の頃って、ミスをした選手に「なにやってんだよ。お前のせいで負けたんだよ」などと一人のせいにしがちです。でも「そういうことは絶対に言ってはいけない」という指導でした。
 
――教育的には、すばらしい指導ですね。
 
そう思います。たとえば、センターバックの子がミスをして、0-1で負けたとします。そこで、チームとして2点取れなかったほうが悪いよね、と。そこでミスをした子には「大丈夫だ」と声をかけて「俺が点を取るから」と言えるような男でいようと、コーチが言ってくれました。当時、ぼくはわりとチームメイトに強く言ってしまう方だったので、いま振り返ると悪いことをしたな、あれはだめだったなと(笑)。チームメイトやコーチと一緒に戦うことが大切だと思うので、だから自分の子どもには「チームメイトを気遣う言動をしよう」と言っています。
 
――お子さんのサッカーを見ていると、プレーの内容よりも、振る舞いのほうが気になりますか?
 
はい。プレーの内容について話すこともありますが、コーチ目線で話すのではなく、親目線で、子どもの振る舞いを見ています。サッカーのプレーについてはコーチにお任せするスタンスです。もちろん「こういう状況のときは、こういうプレーもあるよ」とアドバイスをすることもありますが、出過ぎないよう意識しています。親としてのラインがあると思っていて、子どもに向かって「あのコーチはダメだ」とか言うのは、ぼくの中ではありえないことです。子どもを預けている側なので、そういう覚悟は持っています。
 

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取材・文・写真 鈴木智之

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