――「考えてサッカーをする」。具体的にはどういうことですか？

 

「サッカーは次の展開を読むことが大切です。僕が感じるのは、ボールを持っているAとパスを受けるBという、2人の関係性でしかサッカーを考えることができない選手が多いこと。ボールの動きに合わせて、A、Bの選手が変わっていくだけで、A、B、C、つまり３人目の選手が関わることや、３人目の選手の動きを意識してプレーすることが少ない」

 

「守っている方としても、AとBの２人の関係だけだと、ある程度予測できるので守れてしまうんですね。そこで攻撃側がA、B、Cと３人、あるいはDまで入って４人目が関わると予測できません。そのように、ボールの流れや人の流れを考えて、次の展開を読んで動くことが大切で、それが『サッカーを考えてプレーする』ことなのだと思います」

 

――すごくわかりやすいです。

 

「相手が予測できないようになると、サッカーがもっと楽しくなります。難しいですが、オートマチックに判断ができる選手が揃うと、スペイン代表のようなサッカーができるようになるのかなと思います。サッカーって、ボールを持っていない時間の方が長いわけですから。そのときに、どう動くかが大切です」

 

「浦和レッズのペトロヴィッチ監督が言っていました。『チームメイトが良い動き出しをして、そこにパスを出したけど、キックミスで届かなかった。それはオッケー。技術のミスなので、修正できる。でも、良い動き出しをした味方が見えていないのは問題だ。せっかくの良い動きも、見えていないと意味がない。だから技術だけでなく、頭の中をトレーニングすることが大事なんだ』と」

 

――話を聞いていると、指導者に向いている気がします。指導の道に進むことはないのですか？

 

「いまのところは考えてはいません。これから、若くて良い指導者がたくさん出てくると思いますし。いまは指導以外の部分でサッカー界を良くできるように、選手のサポートやコンディショニングの研究などをしているところです」

 

（選手だけでなくサポーターも同窓会のように集い、楽しんでほしいと語ってくれました）

 

――スーツ姿で埼玉スタジアムのピッチに立つ姿を見たい気もしますが……。7月17日には引退試合もありますね。見たところ、かなり身体が絞れているようですが。

 

「90分フル出場する予定ですが、引退して1年半経つので、現役の時のようにはいかないだろうというのもあり（笑）。ただ、トレーニングは結構しています。引退試合をさせていただくにあたって、自分のパフォーマンスを見せることもそうですが、サポーターのみなさんには、僕が一緒に戦ってきた仲間とプレーする姿を見てもらいたいと思っています」

 

――浦和OBからはギド・ブッフバルト氏を始め、レジェンドが勢揃いします。日本代表からは中村俊輔選手、松井大輔選手、巻誠一郎選手、福西崇史氏などが出場予定になっていますね。

 

「僕自身のプレーよりも、豪華メンバーのプレーを見てもらいたいです（笑）。俊輔さん始め、現役としてJリーグで対戦している選手もいるので、埼玉スタジアムのピッチに立ったときにどんな雰囲気になるのか、すごく楽しみです。今回は2006、2007年にタイトルを獲った時の選手を中心に声をかけさせてもらったのですが、浦和レッズには優秀な選手がたくさんいて、日本代表で一緒に戦った選手もいます。その方たちを懐かしんでくださっているサポーターもたくさんいると思います。浦和レッズの『赤い同窓会』、日本代表の『青い同窓会』と言っているのですが、僕の引退試合をきっかけに、選手だけでなく当時のサポーターも集まることができる時間になればと思っています」

 

後編では、2児の父でもある鈴木さんに「どのような考えを持ってお子さんたちに接しているのか」などをお聞きしましたので、こちらもお楽しみに。

 

 

---

サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く！サカイクメルマガに登録しよう！