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インタビュー

「サッカーを続けていて良かったことは?」3年連続リーグMVPの阪口夢穂選手が子どもたちのギモンに回答

公開:2018年9月27日 更新:2023年6月30日

キーワード:なでしこジャパンなでしこリーグキヤノンガールズエイト日テレ・ベレーザ阪口夢穂

今年で5年目を迎える「キヤノン ガールズ・エイト 第16回JFA地域ガールズ・エイト(U-12)サッカー大会」。この大会は、男女一緒に活動することが多い小学生から女子チームが中心となる中学生年代へのステップとして、全国の小学6年生の女子選手全員の目標となる大会と位置づけられています。

2018年8月時点で、小学6年生の女子選手は約5,043人。今年の大会には1,944人の選手が出場するため、登録選手のうち2.6人に1人がこの大会に参加することになります。

この大会が地域トレセン大会として行われているのは、キヤノンガールズ・エイトに向けて、各都道府県で定期的に女子トレセンが開催され、多くの女子選手たちが集まる機会が増えます。女子サッカー全体にとっては、選手の育成のみならず普及にとっても良い効果が表れています。

「中学に行ってもサッカーを続けたい」「将来はなでしこジャパンに入りたい」。そんな想いを抱いてサッカーを続けている選手も多いはず。そこで今企画では、全国各地でプレーする小学6年生の代表として、2人の女子選手がなでしこジャパンの阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)選手にインタビューを敢行しました。

そんな夢のような権利を得たのは夏目真凛(なつめ・まりん/大森フットボールクラブ)選手と小島世里(こじま・せり/バディフットボールクラブ)選手。憧れの阪口選手を前に緊張しきりの2人でしたが、質問を書いてきたメモ帳を握りしめ、阪口選手の答えに真剣に耳を傾けていました。

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■サッカーを続けていたから得られた「一生の友だち」

夏目真凛(なつめ・まりん)選手(以下、夏目) 最初に日本代表に選ばれた時はどういう気持ちでしたか?
阪口夢穂(さかぐち・みずほ)選手(以下、阪口) 最初に選ばれたのは高校3年生の時だったんですが、大阪の町クラブにいたので、本音を言えば行きたくないって思っていました。当時の代表はベレーザの選手とか有名クラブの選手が多かったので、私のこと「誰やねん」って思っていたはず(笑)。だから選ばれたのは嬉しかったけど、ちょっと怖いというか、不安のほうが大きかったですね。

小島世里(こじま・せり)選手(以下、小島) 自分の中で大切にしている言葉はありますか?
阪口  「感謝」という言葉ですね。若い時は自分が良ければいいと思っていたけど、年齢を重ねるなかで、周りに支えられていることがよく分かってきたんです。今、私は東京ヴェルディという会社で働いているんですが、いろんな人たちが準備をしてくれることで、私たちは試合をすることができる。そういう人たちを近くで見ているので、「感謝」という言葉を大事にするようになりました。

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夏目 サッカーを始めて良かったことはありますか?
阪口 全国に友達がいること。これは一番良かったなと思います。苦楽を共にしたサッカーの仲間が、これからずっと続いていく一生の友達だと思うから。小学生だと、まだ全国に友達を作るのは難しいか。これからやね(笑)。

小島 PKの時に緊張しない方法はありますか?
阪口 PKは運みたいなものだから、狙ったところに蹴って、外したらしょうがない。入ったらラッキー。それくらいの気持ちで蹴ればいいんじゃないかな。

小島 試合中も緊張しないですか?
阪口 あまりしないほうかな。したほうがいい時もあるかもしれないけど、緊張して身体がガチガチになると、いいプレーができないでしょ。だから、リラックスしてやるように心がけているんです。ワールドカップでも、緊張しなかったなあ。

夏目 海外のチームと対戦して大変だったことはありますか?
阪口 そもそも強豪国と言われる国の選手は体格が違うからね。スピードもパワーも全然違うから、大変なことしかないです(笑)。試合が終わったらいつも痣だらけだし、楽だった試合はひとつもないですね。1対1だとどうしても負けてしまうので、2人、3人でボールを取りに行く。そうやってチーム力で対抗できるのが、日本の良いところだと思います。

阪口選手はこれまでになでしこリーグベストイレブン7回選出、アメリカでのプレー経験もあり2011年FIFA女子ワールドカップの優勝メンバー。さらに2015年から3年連続でリーグMVPを獲得している、日本の女子サッカーにおけるトップ中のトップ選手です。

憧れの選手へのインタビューということもあり終始、緊張気味の子どもたちでしたが、時に冗談を交えながら答えてくれる阪口選手が場の雰囲気を和らげ、和気あいあいとした空気の中でインタビューは進行しました。

中学生になるとサッカーも勉強も今よりレベルが高くなります。そのレベルがイメージできずどっちも頑張れるか不安になってしまうこともありますが、先輩サッカー選手の「全国に友だちができた」というコメントは2人にとって心強いアドバイスとなったようです。 後編に続く。

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記事提供:日本サッカー協会 写真:新井賢一

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