■8人制サッカーの導入は、日本サッカーが世界のトップへ近づくための一歩
サッカーはプレーすることで上達するものです。また、公式戦や真剣勝負など、厳しいゲームを繰り返し経験することで、選手は成長していきます。11人から8人へ、人数が減ることによりプレーの機会が増え、実戦を経験する数も多くなります。選手は実戦を通じて「試合で通用する技術」を身につけていくようになります。
その意味でも、公式戦はもちろんのこと、練習試合などでも8人制を積極的に導入することが、選手を育てるために適した方法といえるでしょう。
U-12年代でもっとも大きな大会である「全日本少年サッカー大会」においても、選手のプレー機会を増やすための改革がおこなわれています。
これまでは1クラブから1チームしかエントリーできなかったのが、複数チームのエントリーが可能になりました。それによって、多くの選手が大会に参加することができます。(ただし、都道府県予選を勝ち抜き、決勝大会にエントリーできるのはこれまでと同じように1クラブ1チームです)。
これまでであれば、ベンチに座ったままで出場機会の少なかった選手も、公式戦を経験することができるようになります。これは選手育成において、大きなメリットです。
ヨーロッパの強豪国の多くが、U-12年代で少人数制を取り入れています。日本は2011年にして、ようやく導入されることになりました。この変革が、日本サッカーが世界のトップへ近づくための一歩になることを、期待しています。
※大会規定などによりレギュレーションが異なる場合があります。ここで取り上げたものはあくまで基本的な考え方であり、大会や試合によって変更になる場合がありますので、ご了承ください
取材・文/鈴木智之
写真/木鋪虎雄『チビリンピック2011決勝』より