たとえば2-3-2のフォーメーションを採用した場合、最終ラインは2人です。相手チームも2-3-2の場合、相手のFWと同じ人数になります。そこで、GKが最終ラインのパス回しに加わることができれば、3対2になり、数的優位を作ることができます。
現代のサッカーは、GKに求められる要素が多くなってきています。これまでのように、相手の攻撃をストップすることに加えて、パス回しなど、フィールドプレーヤーが行う組み立ての部分でも貢献することができるのが、いいGKといえるでしょう。
■『GKをうまく使うこと』が8人制を制する
足でのボール扱いを高めるためにも、8人制は有効です。人数が少ないことから、ボールに関わる回数が増えます。実戦を通じて、ボールコントロールやパスの技術、適切な判断に磨きをかけることができるのです。また、8人制はグラウンドが狭いため、GKが正確なパスを前線に通すことができれば、瞬時にシュートチャンスになります。このことから、8人制のポイントは、『GKをうまく使うこと』と、いえるのではないでしょうか。
8人制では、多くの選手がGKを経験できるよう、ルールに工夫が施されています。フィールドプレーヤーがGKとしてプレーする場合、GK用のユニフォームを着なくても構いません。ビブスでOKです。(注:試合・大会によって異なります)。サッカーに対する理解を深めるために、いろいろなポジションを経験することは効果的です。フィールドプレーヤーがGKとしてプレーすることで、「DFはこのタイミングで声をかけると、パスが出し易いんだな」「この角度でボールを受けると、サイドに展開しやすいな」など、気がつくこともたくさんあると思います。多くの子どもたちがGKを経験することで、サッカーに対する理解を深める一助になるでしょう。
取材・文/鈴木智之
写真/木鋪虎雄『チビリンピック2011決勝』より
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