いよいよ、9月2日にブラジルW杯アジア3次予選がスタートします。そこで今回は『知ってそうで知らないサッカー用語』について、解説したいと思います。ここに挙げた単語を会話の中に織り込むと、「サッカー通(ツウ)」に見られることうけあいです。さらに、親子でサッカーを見る際のポイントチェックにもどうぞ!
■海外組
Jリーグではなく、ヨーロッパを中心とした海外のクラブに所属する選手のこと。ちなみに、Jリーグでプレーする選手は「国内組」と呼ばれることもあります。W杯アジア3次予選に招集されたメンバー23人のうち、海外組は11人。国別では、ドイツでプレーする選手がもっとも多く、6人と過半数を占めています。
<ブラジルW杯アジア3次予選 北朝鮮戦(9月2日・埼玉)、ウズベキスタン戦(6日・タシケント)に招集された海外組>
槙野智章(ケルン)、内田篤人(シャルケ)、長谷部誠(ボルフスブルク)、細貝萌(アウクスブルク)、岡崎慎司(シュツットガルト)、香川真司(ドルトムント)以上、ドイツ・ブンデスリーガ所属。川島永嗣(リールス/ベルギー)、伊野波雅彦(ハイドゥク・スプリト/クロアチア)、吉田麻也(VVVフェンロ/オランダ)、阿部勇樹(レスター/イングランド)、本田圭佑(CSKAモスクワ/ロシア)。
今回のメンバー以外にも、乾貴士(ボーフム)、大津祐樹(ボルシアMG)、宇佐美貴史(バイエルン)以上ドイツ、宮市亮(アーセナル/イングランド)など、楽しみな選手はたくさんいます。
■ボランチ&アンカー
ボランチは、ポルトガル語で「ハンドル」や「舵」を意味する言葉です。中盤(ミッドフィルダー)の中央やや下がり目に位置し、長短のパスでチームを操ることから、そう呼ばれるようになりました。日本代表が採用する4-2-3-1で「2」の部分がボランチです。日本を代表するボランチといえば、遠藤保仁選手(ガンバ大阪)です。正確なパスと巧みなポジショニングで、攻守に渡って貢献します。ザッケローニ監督も全幅の信頼を寄せており、チームにとって代えのきかない選手といえるでしょう。
アンカーは船の錨(いかり)を意味する言葉で、中盤の底に位置し、攻守のバランスをとる選手のことを言います。主に4-3-3のフォーメーションで、中盤が逆三角形型になる際、三角形の頂点でプレーする選手を指します。日本代表のアンカーの主な役割は、相手の攻撃のキーマンを抑えること、中盤のスペースを埋めること、攻守にバランスをとることなど、守備をベースとしたプレーを要求されます。日本代表のアンカーといえば、阿部勇樹選手。南アフリカW杯では、鋭い出足で何度もボールを奪い、ピンチを未然に防ぎました。アンカーがクローズアップされるようになったのも、阿部選手の活躍によるところが大きいでしょう。
■バイタルエリア
バイタルエリアには「重大な場所」という意味があります。具体的には、ペナルティエリア付近で、センターバックとボランチの間にできるスペースを指します。得点につながるプレーが多く生まれることから、その呼び名がつきました。日本代表の攻撃の中心・香川真司選手はバイタルエリアを使う名人です。相手チームのボランチとセンターバックの間で素早くボールを受け、ドリブルを仕掛けてパスやシュートを繰り出します。香川選手がバイタルエリアでボールを受けると、チャンスが生まれる可能性大。ぜひとも注目して見てみてください。
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文/鈴木智之