■カンボジアにサッカーを!
8月22日~24日にかけて、カンボジアの育成年代では初となる国際大会「ヤマハチャレンジインターナショナルフレンドリーマッチ」が開催されます。東南アジア各国のチームのほか、日本からもU14岐阜県代表が参加するなど、目に見える動きが少しずつ出てきました。
ここまで数カ月間の取り組みは「順調そのもの」と壱岐さんは言います。
「今後のポイントとしては、いかに継続し進化させていくことができるか。いま考えているのは全国にトレセン制度を作ってアカデミーにより優秀な人材を集めること。カンボジアのサッカー界には登録制度が成立していないので、現状は、よい選手が見つかればすぐ来てもらえるという利点があります。しかし、全国への普及や強化を考えたときに競い合ってレベルアップしていく制度設計がなければ先細りは目に見えています。
9月からは長期のリーグ戦をスタートさせようと準備しています。わたしが指導したコーチたちがそれぞれチームを持って、アカデミーのフットボールセンターでリーグ戦を行う。この取り組みに関わる人たちの輪を広げていき、子どもをサポートできるコーチの数を増やせれば次の世代へと繋がる足がかりができるはず」
■カンボジアを強化することで得られる日本サッカーのメリットとは?
そもそも日本サッカー協会がアジア貢献事業を展開する目的の一つには、長期的視野に立った日本サッカーの強化策があります。ワールドカップのアジア予選が必ず組み込まれる以上、日本代表がこなす試合の7割近くはアジアが相手。地道にアジア全体のレベルを引き上げることが日本サッカーの強化に繋がるという考え方です。壱岐さんもその考えに強く賛同する一方、現地で指導に当たるなかで新たな想いも芽生えてきたといいます。
「AFCのU16大会に出場して日本を倒したいという気持ちになってきました。それと、このチームをいつか仙台に連れていってあげたい」
壱岐さんの挑戦はまだ始まったばかりです。
<<Yamaha Challenge International Friendly Match 詳細>>
大会名 :Yamaha Challenge International Friendly Match
大会期間:2014年8月22日(金)~24日(日)
大会会場:National Football Center
主催:GFA SORIA、カンボジアサッカー協会
【2023 プロジェクト】
2023年Sea Games(東南アジア競技大会)において優勝を目標に、FFCによる重要なプロジェクトの一環として昨年カンボジアフットボールアカデミーが設立。現在はFFC直下のエリートプログラムとしてカンボジア全土から選抜された14歳以下の子供達がアカデミーに所属し、FIFA予算のもと施設されたNational Football Center(天然芝コート4面&宿泊施設)で年間を通じて寝食をともにし目標に向けて活動中。アカデミー監督は壱岐友輔氏(べガルダ仙台)。
取材・文/杜乃伍真 Photo by Frontierofficial