サッカー豆知識
FC東京を2年でクビに。引退して気づいたプロになる前に身に付けておくべきこと
公開:2017年10月13日 更新:2021年1月27日
■サッカー選手の仕事を失って、第二の人生を始めようとしたが...
中村さんが引退を決めたのは、怪我と付き合う日々の中で、心がすり減っていき、引退後の人生を本気で考えるなかで、「新しいことにチャレンジしたい」という結論に至ったから。大学時代に教職を取っていたが、サッカーという仕事を失った時、どうしたらいいかと思い悩んだと言います。
結局、引退後は教師の道を選んだものの、「自分の道において"はまるもの"ではなかった」と1年で退職。その後は芸能プロダクションに所属し、モデル業などをこなしていたそうです。
そんななか、ハーフが多かったモデル仲間に刺激を受け、アメリカ留学を決断。当初は語学学校に通ったものの、より英語を学ぶために、2年制の大学に入学しました。
その大学生活が、中村さんにとっての大きなターニングポイントとなりました。
「授業でサッカーをやったんですが、一応プロだったので、そこそこやれるんです。そうすると、それまで見向きもしなかったような生徒たちが寄ってきて、『お前すごいな』と握手したり、ハイタッチしてくるんですね。そういう反応が返って来た時に、これだなと。普通、留学って、ずっと勉強をして来たような人たちの選択肢だったと思うのですが、スポーツばかりやってきた人間にとっても、アスリートなりの学び方があるんだなと。スポーツを通じて向こうの環境に溶け込んで、仲間が増えて、語学が習得できる。現に僕は、そこから学業がどんどん伸びて、英語を話せるようになりましたから」
この経験をもとに、中村さんは日本の部活生をアメリカの大学に留学させる事業を立ち上げます。
次回は、スポーツを通じたアメリカ留学のメリットと、留学するうえで心がけたいポイントなどについて話を伺っていきます。
中村亮(なかむら・りょう)/株式会社 WithYou代表取締役
元サッカー選手。現役時代のポジションはDF。2004年、FC東京に入団。スピードのある大型SBとして期待されるも、ヒザのケガなど故障が原因で出場機会を得られず2005年シーズン終了後に引退。中学教諭や芸能活動を経た後に渡米し語学と経営学を学ぶ。現在は株式会社 WithYouで、アメリカの大学へのスポーツ推薦留学などをサポートしている。
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文:原山裕平