前編では、国内外を問わず、プロサッカーの試合やインタビューなどの撮影を手掛けるプロカメラマン・兼子愼一郎さんにご協力いただき、デジタル一眼レフカメラで"プロ並み"に撮影するコツをお伝えしました。
後編では、兼子さんとともにシンキングサッカースクール吉祥寺校にお邪魔して撮影した実際の写真を例に挙げながら、今すぐ使える実践的なテクニックを紹介します。
(取材・文:本田好伸、撮影:本田好伸、兼子愼一郎)
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■右目でファインダーを覗き、左目は開けておく
まずは、基本的な撮影姿勢、技術からみてみましょう。
(右手は添えるだけ 写真:本田好伸)
「基本的な持ち方としては、カメラとレンズを左手で支え、右手は力まずに添えることが理想です。あとは、手ブレを防ぐために左の脇は締めて構えます」
また撮影時には「右目」でファインダーをのぞくといいそうです。
「人には、左右のうちでより見えやすい『効き目』がありますが、できるだけ右目を使います。シャッターは右側にあるので、左目で見てしまうと視界がなくなってしまうためです。また、その際の左目は閉じないで開いておく方がいいと思います。これはサッカー選手と同じで、『視野を広く保てる』からです。右目に集中しているので、最初は左側が見えていないような状態ですが、慣れてくると、周辺視野で状況を把握できるようになります。そうやって次の状況を予測できれば、その分、いいシーンが取れると思います」
さらに、手ブレを防ぐという意味でも、「液晶モニター」ではなくファインダーをのぞいて撮影するといいようです。「スポーツでは特に、その方が被写体に集中できるので安定して撮ることができます」
こうした基本事項と同時に、兼子さんは「ダメなカメラの置き方」にも気を付けるべきだと言います。「例えばレンズを立てて置くと倒れてしまうかもしれないですし、ストラップを垂らした状態で置いておくと、そこに引っ掛かって落下してしまうかもしれません。僕自身、そうした失敗を何度も見てきました」
(レンズを下に向けて置くとカメラが倒れて故障する危険性がある 写真:本田好伸)
(テーブルの端にストラップをたらした状態で置くのも危険 写真:本田好伸)
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