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【サッカー最新ルール】8人制にも本格適用! 新ルールをおさらいしよう!! <前編>

公開:2020年3月27日 更新:2022年3月22日

キーワード:11人制8人制ゴールキックサッカーサッカーのルールドロップボールハンドペナルティ

2019/20年の競技規則改正ではVARの導入などに影響されて、またもや大きくルールが変更されました。国際的には2019年6月1日 から適用されています。Jリーグでは2019年8月2日の第21 節から適用されており、新ルールに慣れてきた人も多いことでしょう。

しかし、草の根でサッカーをする子どもたちの試合では、まだ適用しきれていないのでは? 日本サッカー協会は、U-12となる小学生年代が主に行う8人制サッカーのルール改正適用を「遅くとも2020年4月1日」と定めており、新年度からすべての大会でルール改正が適用されることになります。競技者としてはまだ新ルールに慣れていないという子どもたちもたくさんいれば、審判員として新ルールに自信がないという監督やコーチ、保護者の人たちも多いことでしょう。

ハンドや交代など多くのルールが改正された今回の新ルールについて、2月に発売したサカイク初のMOOK「サカイクBOOK 親子で一緒に楽しむ サッカー技術3分ペアトレーニング」でご紹介いたしましたが、ご覧になっていない方のためにも改めて紹介します。新年度を迎える前におさらいしておきましょう。

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新年度から8人制にも本格適用される新ルールを今のうちに確認しておきましょう

 

 

■明確化されたハンドのルール

ハンドについては、これまで不明瞭で明快ではなく、競技者にも観戦者にも混乱と議論を巻き起こしてきました。今回の改正で、ある程度が明確になりました。そのポイントに、以下の2つが挙げられます。

①手や腕が不自然、あるいは不当な位置かどうか
②手や腕にボールが当たったことで、得点あるいは得点機会を得たかどうか

①は、"意図的"という曖昧な言葉で表現され、これまではボールのスピード、ボールまでの距離、手や腕の位置や動かした方向などの状況を判断材料にしていました。基本的な考え方に変更はありませんが、たとえ意図がなかったとしても、手や腕が肩よりも上がっている不自然な状態、手や腕を大きく広げている不当な状態だった場合に、ボールが当たればハンドと明文化されました。

②は、たとえ偶発的であってもハンドの判定となります。先に挙げた判断材料は関係なく、手や腕に当たってゴールとなった場合、手や腕に当たった直後のプレーで得点あるいは得点機会を得た場合はすべてハンドとなります。

上記の場合を除きハンドとならない状況として、当たることが避けられなかった場合が挙げられます。それは先に挙げた判断材料に沿って判定されますが、主にボールとの距離がポイントになります。もうひとつは、スライディングなどで倒れたときに体を支えるための手や腕に当たった場合です。これも不自然な位置とは考えにくいためハンドにはなりません。

 

■ゴールキックはペナルティーエリア外へ蹴り出さなくても良い

今回の改正から、ゴールキックはペナルティーエリア外へ蹴り出さなくても良くなりました。それによって、いくつかのルールが変更になっています。

①けられて明らかに動いたならばボールはインプレーとなる
②味方競技者はペナルティーエリア内でボールを受けられる
③相手競技者はキックが行われるまで、ペナルティーエリア外にいなければならない

ゴールキックおよびペナルティーエリア内でのフリーキックは、①のように改正されました。従って、②のとおり味方競技者はボールがけられたならばすぐにインプレーとなったので、ペナルティーエリアを出る必要がなくなりました。

相手競技者は③のとおり、ペナルティーエリア外にとどまっていなければなりません。相手競技者が意図的にとどまってボールを奪おうとした場合は、ゴールキックのやり直しになりますが、その相手競技者に対して警告などの罰則はありません。

また、今回の改正でゴールキックでもフリーキックと同様に、クイックスタートが認められるようになりました。ゴールキックについてはルール改正後は意図的にペナルティーエリア内にいるかどうかがポイントで、相手競技者がペナルティーエリア内にいたとしても、ボールを蹴ってインプレーにすることができます。この場合、ペナルティーエリア外へ出る時間がなく、意図せずにとどまっていた相手競技者がボールを奪いに行っても、ゴールキックはやり直しにはならず、そのままプレーは続行されるので注意が必要です。

 

■8人制と11人制では大きく違う交代のルール

交代でピッチから退く競技者は、最も近い境界線の位置からピッチの外へ出なければならないようになりました。主審が認めた場合を除けば、タッチラインであろうとゴールラインであろうと、素早くピッチ外へ出ることを義務づけられました。ただし、これは11人制に限ったルールとなります。

8人制の場合、そもそも自由な交代が認められています。その代わりに、センターライン付近にある交代ゾーンからピッチに出入りすることになっています。ですから、交代に関するルールは、8人制の場合にはこれまでどおりとなります。

ただし、GKの交代に関してのみ変更となっています。ピッチ外の競技者とGKが交代する場合は、アウトオブプレーになったときに主審に知らせ、許可を得たら退くGKは最も近い境界線からピッチ外へ出なければなりません。代わってピッチに入ってくるGKは交代ゾーンからピッチへ入ります。

また、ピッチ内にいる選手とGKのポジションを交代する場合は、これまでのルールと同じでアウトオブプレーになったときに主審に知らせ、許可を得て入れ替わります。

今回の改正では、この交代のルールが11人制と8人制で最も大きな違いとなっています。

 

■ドロップボールは最後に触ったチームへ返す

主審が手で持ったボールをピッチ上に落としてプレーを再開するドロップボールも、今回の改正で大きく変更となっています。

①ボールに対して最後に触れた選手のチームへ返す
②主審からボールを返されるひとりの競技者以外は、全員が4メートル以上離れなければならない
③ペナルティーエリア内でドロップボールとなった場合は、守備側のGKにボールは返される

なんらかの理由で、主審がインプレー中にゲームを止めた場合に行われるドロップボールは、これまでどっちのチームの競技者が先にボールに触っても、ルール上は問題ありませんでした。しかし、それでは不利益となる場合があると懸念されたため、①のようにルールが改正されました。

これまでは主審からボールが落とされる前に、その周囲に何人の競技者がいても良かったのですが、今回からはボールが返されるチームのひとりの競技者と決められ、それ以外の競技者は味方でも相手でも②のように4メートル以上離れなければなりません。

また、ドロップボールが適用される状況も追加されることになりました。これまで「審判は石と思え」と言われ、審判員にボールが当たってもプレーは続行されていましたが、これからはドロップボールとなります。審判員にボールが当たり決定機になる可能性がある場合、直接ゴールに入ってしまった場合、ボールを保持するチームが替わってしまった場合、この3つのうち、いずれかに当てはまったときに主審はゲームを止めてドロップボールを適用します。

 

後編でもこの機会に知っておいてほしい新ルールをご紹介しますのでお楽しみに。

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