サッカー豆知識
「プレーにダメ出しをしたくなる」「他の子と比べてしまう」サッカー少年の親に聞いた、ついついやってしまうこと サカイク本音調査
公開:2021年8月23日
サカイクでは定期的に「保護者の本音」を調査しています。子どもたちのサッカーを日々サポートする保護者は、どのようなことを感じ、どんな悩みを持っているのでしょうか?
今回、本音調査に協力してくれたのが、埼玉県で活動するFCリアルの保護者のみなさんです。ぜひ、ここだけの「リアルな話」を聞いて、ご自身のお悩みの参考にしてみてください。
(取材・文:鈴木智之)
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■試合の映像を見てダメ出ししたくなる......
FCリアルの保護者の方々に話を聞くと「子どものプレー映像を見て、ダメ出ししたくなる。どうすればいいですか?」というお悩みがたくさん寄せられました。あるお母さんは言います。
「子どもが小学3年生までは、試合の様子をビデオで撮っていました。それを見るのが親としても楽しみだったんですけど、子どもから撮るなと言われて、次第には、試合にも来るなと言われるようになりました」
さらに、こう続けます。
「パパがサッカー経験者なので、プレッシャーを感じているというか、『もっとこうしたほうがいいのに』とか思われているんじゃないかというのがあったみたいです。『撮られるとやりづらい』って」
そう言われて撮影を止め、いまではチームメイトのお父さんが撮影した動画を、お子さんに隠れて見ているそうです。「映像を見たことを、子どもには言わないです(笑)」と話してくれました。
■プレーの指摘には「わかってるから言わないで」
ほかにも「うちの子も、一緒に映像を見るのは嫌がります」という方もいました。
「試合を見ながら『ここはこうすればよかったんじゃない?』と言うと『わかってるから言わないで』って反発されます。本当は試合を見て、あれこれ言いたいけど、言うと子どもから『止めて』って返ってくることがわかっているので、最近はただ見るだけにしています。それも、子どもがいないときに見るようにしています」
やはり、自分のプレーについてあれこれ言われるのは嫌なようです。言いたくなる保護者の気持ちも、言われて嫌になるお子さんの気持ちも、両方あるあるですね。
「もともとサッカーが好きで、子どもが生まれたらサッカーをさせたかった」というお母さんは、こんな話をしてくれました。
「練習後に『今日はどうだった?』と聞いて、子どもが『自分的にはこうだった』という話をするので、『ママはこう思ったよ』と言っています。うちの子はパスを出したがるので、『自分で行けるところもあったよね』とか『もうちょっと相手を引きつけてからパスした方がいいんじゃない?』などと言うのですが、わりと素直に聞いてくれますね」
父親は土日に仕事があるためノータッチだそうです。「小さい頃は見に来ていましたけど、子どもが自分の思うように動かないことにイライラして、見に来なくなりました(笑)」とのことでした。
■父親からのプレーの指摘は......
なかには、こんなご家庭もありました。
「パパはサッカー経験者なので、昔はプレーに関して意見を言っていましたが、息子が5年生になって自我が出てきたので、あまり言わないようにしているみたいです」
「私がいい場面だと思ってお父さんに映像を見せると、ダメ出しが来ることがあります。違うところが気になるみたいです」
別のお母さんは、こう話してくれました。
「私自身、サッカーを知らないのもあるのですが、学年が上がるにつれて、考えてサッカーをするようになるので、低学年の頃ほど言えなくなりました。高学年になると、子どものサッカー観が出てきますよね。それも成長なのかなと思います」
ほかには「私が言ったことにうんうんと返事しているけど、その場から逃れるために返事しているんだなと思う」「コーチに任せると決めているので、一切口出ししません」という保護者もいました。
高学年になるにつれて、子どもたちの自立心が高まっていきます。それに応じて、コミュニケーションの仕方や距離感を変えるのがポイントのようです。
■つい他の子と比べてしまう
他の子と比べてしまったり、集中力の欠如が気になるお母さんも多いようです。
「低学年の頃はサッカーというよりも、遊んでふざけていることが多かったんです。他の子みたいに、ちゃんとやりなさい! という気持ちになっていました(笑)。最近は見ていると口出ししたくなるので、あまり見ないようにして、遠目から見ています」
ふざけているように見えても、子ども自身は楽しんでサッカーをしているケースもあるので、一方的に決めつけるのはよくないのかもしれません。さらに、こう続けます。
「子どもに『練習どうだった?』と聞くと、『楽しかった!』と返ってきます。そこでは、『良かったね、えらかったじゃん』と褒めるようにしています。『ママ、見てなかったでしょ?』と言われるんですけど、『見てたよ』って答えています(笑)」
■サッカーを好きなままでいてほしい
他のお母さんは、お子さんの心境の変化に悩みながらも、「見守るようにしています」と話してくれました。
「うちの子は一時、気持ちが落ち込んで、サッカーから離れたいと言ったこともありました。ブランクがあるので、周りの子と比べて体力が落ちていると感じることもあります。もっとがんばれって言いたくなることもありますけど、本人がやる気になっているので、何も言わないでおこうかなと。サッカーを好きなままでいてほしいので」
保護者のサポートなくして、ジュニアサッカーは成り立ちません。親と子、互いに様々な思いを抱えながら、サッカーと向き合っているようです。
サカイクでは今後も、悩める保護者、お子さんの課題を解決できるように、情報発信していきたいと思います。
また保護者だけでなく、がんばっている指導者の方々にもお悩みを聞く機会などを設け、お互いの悩みを解決する橋渡しができればと思っています。「うちのチームに来て欲しい」「私たちの話を聞いてほしい」という方は下記よりご連絡ください。
連絡先:info@sakaiku.jp