■「誉め」を効果的に使って子どものやる気を伸ばす!
このコーナー第四回目は、講師のメンタルトレーニングコンサルタント、大儀見浩介さんに、「ほめることの大切さ」についてお話をお聞きしていきます。
「子どもとの接し方には"プラスのコミュニケーション"と"マイナスのコミュニケーション"があります。この2つは、メンタルトレーニングの世界で"プラス思考"""マイナス思考"と定義され、とても大切なものだと理解されています。
プラスのコミュニケーションは"笑顔"や"誉める"といった、ポジティブで前向きな言動のことを言います。
マイナスのコミュニケーションは"感情で怒る""愚痴を言う"など、ネガティブで後ろ向きの言動のことを言います。
両親が家でケンカをしたり、職場のグチをこぼすといったマイナス思考の言動をすると、知らず知らずのうちに子どもは真似をします。小学生ぐらいの小さな女の子がませた口をきくのは、大体、姉か母親の影響に寄るところが大きいのと同じです。"子どもは親の鏡"という言葉がありますが、子どものマイナス思考は親の影響を受けているケースが多く見られます。
わたしは子どもの言動を見ただけで、大体、その子の親はどのようなタイプかがわかります。試合の応援に来ている親御さんと話をさせていただくと、"この人はあの子のお母さんだな"とわかるのです。
親が意識をしてプラスのコミュニケーションをとることで、子どもの思考も変わっていきます。サッカーの試合中にミスをしたことに対して、"なにやってるんだ!"とマイナス思考で怒るよりも、"ナイスチャレンジ!"や"次、次!"など、ポジティブな声をかけられたほうが、子どものやる気は高まります。それは子どもに限らず、大人だってそうですよね。
"誉める"ことは、頭の中をプラス思考にする簡単な方法です。たとえば、キックミスでシュートを外してしまったとしても"シュートを打つ前のトラップは良かったよ"と、良かったところを探して誉めれば、言われた方はポジティブな気持ちになり、やる気が高まります。
「誉める」の良いところは、誉めた方もプラス思考になることです(試しに隣にいる人の良いところを、なんでもいいので誉めてみてください)。親がプラス思考で笑顔を作れば、子どもも自然と笑顔になります。誉めをうまく活用し、プラス思考で接することを心がけてみてください」