■保護者が監督やコーチに対してすべきこと
このコーナー第七回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに、「保護者が監督やコーチに対してすべきこと」についてお話しをお聞きしていきます。
「保護者と監督・コーチが良好な関係を築くことは、チームを円滑に運営する上で欠かすことのできないものです。保護者と指導者の間で共通理解や価値観の共有ができていれば、子どもたちも迷うことなく、サッカーに打ち込むことができます。そこで今回はチーム力をアップするために"保護者が監督やコーチに対して、やってほしいこと"について、お話ししたいと思います。
【その1:プレーに関する指示は監督・コーチに任せる】
まず一つ目は"コーチングは監督・コーチに任せること"です。こんなの当たり前だろうと思う方も多くいると思いますが、これが守られていない場面をよく見かけるのです。たとえば試合中、選手が自分で考え、プレーしようとしているときに"クリアしろ!"や"シュートを打て!"など、ピッチサイドからコーチングをする保護者の方がいます。
せっかく監督やコーチが選手の判断を尊重し、見守っているのに、親が横から口出しをしてしまっては本末転倒です。"がんばれ"や"ドンマイ"などの声援は励みになるので良いと思いますが、プレーに関する事柄はグッとこらえて、口を出さないようにしてあげてほしいと思います。
【その2:監督・コーチの立場を尊重する】
二つ目の"やってほしいこと"は、"コーチの立場を尊重すること"です。ピッチの中での出来事は、監督やコーチの領域です。保護者が外から戦術的・技術的な声かけや指導をすることは、監督やコーチの領域を犯していることになります。試合会場など、子どもが指導者の指揮下にある場合、尊重すべきは親の感情ではなく、コーチの考えや立場です。これはぜひ忘れないでいてほしいと思います。
【その3:監督・コーチとポジティブなコミュニケーションをとる】
3つ目は"チームの情報を保護者と指導者が共有すること"です。そのために定期的に話し合いの場を設けるのもいいと思います。保護者と指導者のあいだに感情的な行き違いが見られる場合、原因の大半がコミュニケーション不足です。指導者と保護者が話し合いをした結果、両者の不信感が解消され、チームの雰囲気が良くなった例はたくさんあります。