■「きみのプレーを観にいきたい」と素直な気持ちをぶつけてみよう
素直な気持ちで、まずは自分から子どもへの愛情や本音をさらけ出してみましょう。そうすれば、子どもも本音を話してくれるようになるのではないでしょうか。わたしはスペインという感情表現の豊かな国で生活をしているため、「愛してるよ、ママ」と当たり前のように話す友達や、別れ際に「君たちのこと、とっても愛してるよ」と言ってくれるスペイン人の義理の父がいます。私の方からはなかなかそこまで素直に感情を口にすることはできないものの、そのようにストレートに愛情を伝えてもらうと、とても暖かい気持ちになります。人間関係において、素直に自分の気持ちを言葉や行動で伝えることは、とても大切だと実感しています。
スペインでは試合が終わると勝敗に関係なく、選手たちはピッチの中から応援してくれたお父さんお母さんに挨拶をします。応援してくれた人たちに対して、感謝を示す1つの習慣です。自分たちのことを応援してくれるたくさんの人がいることを実感することで、子どもたちはよりサッカーを好きになっていきます。
サッカー少年少女にとってお父さんお母さんの存在は欠かせません。普段はピッチでいろいろと質問をしてくる選手が、どうしても言えないことがあるときにはお父さんに泣きついて一緒に質問に来ることもあります。練習が終わると、すぐにお父さんお母さんのところに駆け出す子どももいます。サッカー少年少女が一番頼りにするのは、わたしたちコーチではなく、どんなときも味方でいてくれるお父さんお母さんです。だからといって試合中にプレーに関する指示を過剰に出したり、帰りの車のなかでその日のプレーのダメ出しをしてしまうのは困りものですが、楽しくサッカーをするサッカー少年少女のすぐ後ろに、いつも見守ってくれているサポーターがいれば、彼らの未来は明るいでしょう。
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取材・文・写真 小堺マシアめぐみ