テクニック
2011年5月 6日
オランダ流「2対1とプレーの選択肢を身につけさせる"しつけ"」
<まとめ>「プレーの選択肢を身につけるための"しつけ"をする」
オランダのU-12年代は、最初にウォーミングアップを兼ねて『ひし形パス回し』などの基礎練習をします。そして、サイドチェンジの意識づけをさせたい場合は、テーマにあわせて4対4などのグループ練習をして、最後に7対7のゲームをします。これが練習の基本形です。
サッカーで大切なことは『スペースを使うこと』と、『プレッシャーがある中で、速く正確にパスをつなぐこと』です。そのために、このコーナーで紹介した練習を繰り返し行います。オランダでは、このような基本の練習があり、レベルが上がるに従って時間制限を設けたりしていきます。そうするとスピードが増してプレッシャーが速くなります。その先に、特別に難しい戦術があるわけではないのです。激しさのレベルは違いますが、ここで紹介した練習を大人やプロも行います。
そして、指導の現場では、一方的に答えを押しつけるようなことはしません。たとえばU-8のトレーニング中、選手がボールに群がり、団子状態になっていたらストップさせて『どうしてパスが繋がらないのかな?』などと質問をしたり、ボールに群がっていない子どもに『ボールがくる準備をしているじゃないか。すごいぞ!』など、狙いに沿ったプレーをしている子どもを褒め、他の子どもたちがマネをすることを待ちます。
決して、最初から『ほら、こっちのスペースが空いているでしょ?』と一方的に答えを教えません。このように、オランダでは幼少時に "しつけ"として、多くの選択肢を身につけさせる指導をします。そうすることで『状況判断』と『問題解決』ができる、『考えられる選手』に成長していきます。『サッカーのしつけ』ができていると、誰がどの位置に入ってもプレーできるようになります。それがオランダの『トータルフットボール』なのです。