ヨハン・クライフを始め、数々のスーパースターを輩出するサッカー大国・オランダ。オランダの指導メソッドは世界中で手本にされていて、なかでもユース年代の指導は世界トップレベルにあります。今回は、オランダのフェイエノールト等で指導経験のあるフィジカルコーチ/メディカルトレーナーの土屋潤二氏に、ユース年代で行われている練習法を教えてもらいました。キーワードは『スペースの使い方』の中級バージョンです。オランダ式練習法で、サッカーのセオリーを身につけてください。
■チャレンジ01 やってみよう!「ひし形パス」
オランダのベーシックな練習です。練習のポイントは「正確に素早くボールをコントロールすること」と、「正確で強いパスを出すこと」です。
ひし形パスの陣形
プレーの仕方
- Bは半身の状態を作り、Bがパスをもらう方向と反対の方向に動いてから、Aの方へパスを要求し、ボールを迎えにいきます(フェイクをかける)。
- Bのタイミングに合わせて、AがBにパスを出します。
- Bは来たパスを、左足を使って一度でCの方向にコントロールし、右足でCにパスを出します。
- Cは半身になり、Bがボールをコントロールしているタイミングでフェイクをかけ、ボールを呼びこみます。そして来たパスを右足でコントロールし、左足でDにパスを出します。
- DはCがパスを出す前にフェイクをかけ、来たパスを右足で受けて左足でEにパス。
- Eは半身の状態でフェイクをかけ、来たパスを右足で受けてゴールに向かい、シュートを打ちます。
なぜ半身なのか?
なぜボールを迎えにいくのか?
原則として、受けたボールをワンタッチで蹴ることのできる場所にコントロールし、次の人がパスを出したい方向の足もと(右方向なら右足のインサイド、反対なら左足のインサイド)へパスをします。こうすることで、パスを受けた後に足を踏み直すことなく、自然に素早く反対の足でパスを出すことができます(例:右足のインサイドで右前方にボールをコントロールし、右足を軸足として地面に置き、右方向にいる味方に左足でパスを出すことができます)。「右で受けて、左足でパス!」「左で受けて、右足でパス!」と、歩く動作と同じように、ボールコントロールとパスが自然にできるようになるよう、意識しましょう。