■シュートに対する決断力の低さが招いたミス
UAE戦の攻撃を見ていると、選手たちがシュートの場面で悩んでいるようでした。象徴的だったのが、後半終了間際の香川選手のシュートです。ダイレクトで打てば良かった場面でコントロールをした結果、相手選手に寄せられてしまい、シュートはゴールの枠を逸れました。武藤選手も豊田選手も、シュートを打つという決断を迷っているように見えました。
対照的だったのは柴崎選手です。この試合、唯一の日本の得点シーンですが、本田選手のリターンパスを受けた瞬間、迷いなく右足を振りぬきました。また、UAEの先制点、マブフート選手もボールを受けて思い切りシュートを打ち、逆サイドに突き刺しました。この試合で得点になった2ゴールは、どちらも迷いなくシュートを打ったことが結果につながったものです。シュートに対する決断力は、改善の余地があると思います。もちろん、本田選手や岡崎選手のように、優れた決断力を持った選手はいますし、彼らは実際に得点という結果を残しています。
この試合では、柴崎選手が良いプレーをしました。アギーレ監督も言っていましたが、彼は“チームに新しい風を呼び起こせる選手”です。サポートの能力がすごく高いので、ボールを繋ぐことができ、ピッチの中でどこにポジションを取ればいいかを理解しています。22歳と若いですが、十分にピッチの上で重要な役割を担うことができます。今後、彼がより高いレベルに到達するためには、イージーミスを減らすことが必要です。親善試合のブラジル戦、今回のUAE戦でもそうでしたが、ボールを簡単に失ってしまうことがあります。UAE戦では、ボールロストが重大なピンチにはなりませんでしたが、ボールの失い方は修正したほうがいいと思います。彼はとても才能のある選手ですので、改善できると思います。
【この記事を読んだ人は、こちらもおススメ】
欧州のU-12選手が学んでいる個人戦術の原理原則をトレーニング!
【PR】「スペースを作り、使う」 周りを観る力(認知力)を身に付けよう
FCバルセロナの選手や世界のトッププロをサポートしてきたスペインの世界的プロ育成集団「サッカーサービス社」が、認知やサポートなど13歳までに身に付けておくべき戦術をプロの試合映像を使って解説。サッカーインテリジェンスを高めたい子ども達が見て学べる映像トレーニング。
取材・文/鈴木智之