■ディフェンスはライオンが狩りをするイメージで
日本一になったと言えば、昨年の高円宮杯U-15を制したFC東京U-15深川の守備哲学も印象的でした。その名も「ライオン・ディフェンス」。最初はライン・ディフェンスの聞き間違いかと思ったのですが、そうではありません。ここで言う「ライオン」はもちろん、百獣の王のこと。チームを率いた奥原崇監督も「ボールを奪える選手を育てたい」(裏を返せば、そういう選手がいない!)と考え、指導に当たってきました。
中学生の選手たちに教えたのは、まさにライオンが狩りをするイメージ。「実際に映像も見せたんです」と奥原監督は言います。集団でターゲットを追い詰めて、「狩る」様はまさしくサッカーに応用できるものであると同時に、ボールハントが「戦い」なのだというイメージを喚起しつつ、なおかつ「奪いに行く姿勢」自体がポジティブなモノなのだという刷り込みも行う。ライオンの狩りは集団で行うものですが、個々の強さを持った上での集団性です。
この大会のFC東京深川は、アグレッシブかつ力強くボールを奪いに行って相手のポゼッションプレーを阻害する様が印象的でしたが、それはまさにライオンの集団のイメージだったわけです。
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取材・文 川端暁彦