■“逃げ道”のつくり方
フィニッシュは可能なかぎり、守備の選手からプレッシャーがない状態で行いたいもの。そのために「ダイアゴナル・ラン」という斜めに動く動作で、守備の選手がアプローチをする距離を離すことが効果的だ。守備の選手は、シュートコースを消しながら攻撃の選手にアプローチをするのがセオリー。攻撃の選手が直線的にアタックを仕掛けた場合、守備の選手は侵入方向とシュートコースを同一視できるため、守備を行いやすい。一方、攻撃の選手がダイアゴナル・ランを行う(ながら) アタックだと、侵入方向とシュートコースが異なるので、守備が難しくなる。また、“逃げ道”と表現した理由は、斜めに動くことにより、ゴールを視野に入れながらフィニッシュ以外の選択肢を持ちやすくなるためだ。例えば、受けたボールをコントロールミスしてしまい、フィニッシュのチャンスが無くなってしまった。この瞬間、フィニッシュを諦め、そのままサイドにドリブルをしてゲームを組み直すことができる。さらに、斜めに走った後にはスペースが生まれているので、切り返し再び逆サイドへチャレンジをする選択肢も生まれる。この“逃げ道”をつくるという動きは、「プレーを切り替える」「もう一度チャレンジをする」という積極的にプレースペースをつくり出す方法として重要なテクニックといえるだろう。
攻撃の目的はゴール。その目的のために、ドリブルやパスといったプレーの成功を高める動きが必要不可欠となる。“ボール”“相手”“味方”の動きによって受動的にできるスペースだけでなく、能動的にスペースをつくる動きを身につけることは、卓越したボールコントロールと同じくらい重要であることだと意識しよう。
日本の育成年代における攻撃・守備の問題点と課題を徹底解説!