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「運ぶドリブル」は体の前ではなく後ろでボールを触る/川崎フロンターレU-10が実践するドリブルトレーニング

公開:2020年11月20日 更新:2020年11月27日

キーワード:ドリブル川崎フロンターレ運ぶドリブル

今回の『サッカー指導者のためのオンラインセミナー「COACH UNITED ACADEMY」』では、ジュニア年代の強豪として知られ、アカデミーからトップチームへ昇格する選手を次々に輩出している川崎フロンターレのトレーニングを紹介。

テーマは『引いた相手に対してスペースへ運び、状況を打開するドリブル術』。サッカーの基礎となるスペースに「ボールを運ぶ」プレーを、どのようなトレーニングで向上させていくのだろうか?(文:鈴木智之)

(※COACH UNITED 2018年6月25日掲載記事より転載)

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姿勢を良く、力まずリラックスした状態でボールを触る

トレーニングを担当するのは、U-10の冨田幸嗣コーチ。「良い判断を下すために視野を確保しながら、スペースへボールを運ぶ。ストレスを感じさせずにボールを持たせる」という考えのもと、ウォーミングアップとトレーニングを実施していく。

冨田コーチは「3、4年生の年代では、ストレスを感じず、自由にボールを持つことを徹底しています。その中で相手を見る、良い判断につなげることを指導しています」と説明する。

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ウォーミングアップの最初はコーンドリブルから。1.5 メートル間隔で置かれたコーンの間を、選手たちがドリブルをしながら進んでいく。ここでのポイントは姿勢を良くすることと、力まずリラックスした状態でボールを触ること。ボールタッチの仕方はフリーなので、冨田コーチから「他の人より多くボールを触ろう」という声が飛んでいた。

さらに選手たちに求めたのが、慌てないこと。前に進むスピードは速くなくても良いので、足の色々な箇所でボールに触る、体の向きを変えることに言及。トレーニングのテーマでもある「ボールの置き所を増やすこと」に重点が置かれ、選手たちは自由にドリブルをしていく。

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一区切りついたところで、冨田コーチは「コーンは動かないけど、実際の試合になれば相手は動いて、間合いを詰めてくるよね?」と投げかけると、相手との距離を考えたボールの置き所を意識することを、実演を交えて説明。

「ボールを常に体の正面、足と足の間にボールを置くのではなく、横でも後ろでもどこでも置けるようにしよう。相手と向かい合った時に、どこにボールを置くかを選べるようになることが大事だよ」と選手たちに投げかけていた。

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体の前ではなく後ろの方でボールを触って運ぶ

続いてのウォーミングアップはスピードドリブル。まずは「トップスピードの中で、ボールに3回タッチする」というルールで実施。ここでは、スピードを落とさずにスペースに侵入していくイメージを持ち、ドリブルをしていく。冨田コーチは「次のアクションをすぐに実行できるように、ボールを追いかけるのではなく、後ろから持っていくイメージで運んでみよう。 体の前ではなく後ろの方でボールを触って、前にボールを運んでいくこと。目線は奥を見よう」とポイントをコーチングしていた。

さらに「トップスピードの中でターンを入れる」というルールに変更し、目線を足元に落とさず、ブレーキがかからないようにドリブルからターンへとスムーズに移行するように、意識付けの声掛けを行っていた。

メニューとしてはシンプルだが、どこを意識させるかで、トレーニングの密度や習得スピードが変わってくる。この辺りの声かけの内容、コーチングのポイントなどは、ぜひ動画でご確認頂ければと思う。

相手との距離に対して、ボールの置き所を変えられるように

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COACH UNITED ACADEMYの動画、前編の最後は1対1(3ゴール設置)。

設定は、攻撃側と守備側が向かい合って立ち、守備側が攻撃側にパスをして1対1がスタート。攻撃側は守備側の背後にある、左右のスペースにドリブルで侵入するか、中央のコーンにボールを当てれば勝ち。守備側もボールを奪ったあとは、同様のルールとなる。

ここでも冨田コーチから「相手との距離に対して、ボールの置き所を変えられるように」とアドバイスが飛んでいた。グリッドが横に広いので、左右のスペースにボールを運ぶことで、中央のコーンへのシュートコースができる。「まずはスペースを狙い、相手が動いて状況が変わると、できるプレーが増えるよね。それがサッカーの駆け引きだよ」と、子どもたちにも理解できるように説明していた。

冨田コーチの声かけによって、U-10の選手たちのプレーがどのようにプレーが変化していくかは、ぜひ動画で確認していただきたい。シンプルだからこそコーチの手腕が問われるトレーニングであり、設定も複雑ではないので、ご覧の方は自チームの練習ですぐに活用できるだろう。

最後に、冨田コーチはトレーニングについて、次のようにアドバイスを教えてくれた。

「スペースにボールを運ぶことにフォーカスし、相手を見るところにこだわってやりました。子ども達が何を考えているのか。何が見えていて、何が見えていないのかを考えながら指導をしています。大切なのは、子どもたちに自由な発想をさせること、指導者が教えすぎないことだと思います」

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【講師】冨田幸嗣/
神奈川県川崎市出身。川崎フロンターレU-12コーチ。選手時代は川崎フロンターレU-15、U-18でプレー。川崎フロンターレのスクールコーチなどを経て、2014年からU-10のコーチを務める。

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