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テクニック

相手のプレスを剥がして前進するコツは「ドリブルとパスの使い分け」と「数的優位を作るポジショニング」

公開:2023年7月19日 更新:2023年8月 1日

2019年の「JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会」で、日本一に輝いたバディーSC。COACH UNITED ACADEMYでは、U-11(現:U-12)の前島裕樹監督による「プレスをかけて来る相手を攻略するビルドアップ」トレーニングを公開中だ。

後編では「繋いで運んだボールを失わずに、フィニッシュまで持ち込む練習法」をテーマに、昨年の「第13回神奈川県チャンピオンシップU-10」優勝メンバーによる、「プレーの判断」にフォーカスしたトレーニングを紹介したい。(文・鈴木智之)

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相手の立ち位置を見て人が密集しているところは避ける判断を行う

後編最初のトレーニングは「3対4+GK+2フリーマン」。攻撃側が目指すゴールを1つ、守備側が目指すコーンゴールを3つ配置し、攻撃3対守備4+GKを行う。フリーマンはサイドに1人ずつ配置し、どちらか片方のみ、グリッド内に侵入できるというルールだ。

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前島監督は「攻撃側は左右にボールを動かす中で、縦にパスやドリブルを仕掛けてゴールを目指すこと。ゴールを意識してプレーしよう」と前置きし、次のようにアドバイスを送る。

「攻撃側はボールを失わないこと。相手をしっかり見て、どこから行けばいいのかを考えよう。どうやって相手をずらすかも大事。相手を見て、ドリブル、パスを使い分けて、ボールを失わずにゴールを目指そう」

トレーニングの狙いは、相手(守備側)の矢印をずらしながら、右、中、左とボールを動かしてプレッシャーをかいくぐり、ゴールを奪うこと。前島監督はピッチのどこで数的優位が作れているのかを見て、効率よく前進していく方法を、実演を交えて説明していく。

「ゴールを目指す中で、相手を見てどうプレーを変えていくか。数的同数のときはボールを動かして、数的優位を探そう。相手がたくさんいる方から前進しないこと。相手をしっかり見よう」

ほかにも、前編のトレーニングで実施した、パスの出し手に対して、受け手は角度をつけてボールを受けることにも言及。そうすることで、周囲の状況を認識しやすくなるとともに、次のプレーに移行しやすくなる。

前島監督は「どこが数的優位になっている?」「相手の矢印を見て、周囲の味方を使おう」「相手が狙っている状況で、数的同数の味方にパスを出してしまっている。そうなったときはスイング(※ボールを右から左、左から右に動かすこと)して、数的優位を探そう」など、認知の部分に繰り返しアプローチしていった。

むやみに前進を仕掛けない。優位な状況ができるまでボールを保持する

続いて、締めくくりとなるトレーニング「5対5+GK」を実施。これまでトレーニングしてきた、相手を見て、パスとドリブルを使い分けること。ボールを失わず、相手を見て左右に動かし、縦に仕掛けてゴールを奪うことを目的にプレーしていく。

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前島監督は「ボールを受けるときの立ち位置や体の向きを考えよう。ボールと自分の関係だけでプレーするのではなく、相手の位置を見て、どこでボールを受ければいいかを考えることも大事だよ」と認知、判断の重要性を説いていく。

また、プレーを途中で止めて、1対2の数的不利の状況で縦への突破を選択し、ボールを取られた選手に対して、ボールを受ける位置、プレー選択の良し悪しを指摘。むやみに前進を仕掛けるのではなく、状況を見ながら相手のいないところにパスを出すなどして、有利な状況を作ってボールを保持し続けることの大切さを伝えていった。

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さらには、相手を中央に集結させることで、サイドが空くことを説明。そこを考えず、むやみに前にパスを出し、インターセプトされている選手に対して、どのような説明で指導していくかは、動画で確認してほしい。

トレーニングを通して、丁寧な説明が印象的だった前島監督。終了後、COACH UNITED ACADEMYユーザーに向けて、次のようにアドバイスをくれた。

「後編では、ボールを失わずにゴールを目指すことを目的としたトレーニングを行いました。このトレーニングでは、相手を見てボールを動かし、選手がきちんとポジションをとれていることが重要になります。立ち位置はどうか、体の向きはどうか、選択肢を持っているかを選手に問いかけながら、理解度を上げていきます。相手に対して嫌な立ち位置やポジションがとれていると、先手を取った攻撃ができます。ぜひ参考にしてみてください」

動画では、昨年の神奈川県大会優勝メンバーによる、高い技術をもとにプレーする様子も見ることができる。判断のトレーニングに加えて、全国レベルの技術力はどのようなものかを知る上でも、動画をご覧いただければと思う。

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【講師】前島 裕樹/
バディーサッカークラブで指導者としてのキャリアをスタート。バディージュニアユースで10年、相模原市U-15トレセンスタッフを3年、バディーSC(ジュニア)選抜クラスで3年指導に携わっており、現在はU-11の監督を務めている。
2019年に行われた「JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会」、2021年に行われた「第13回神奈川県チャンピオンシップU-10」ではチームの優勝に貢献した。

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