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テクニック

移動中に周りを観るとワンタッチプレーが増える。縦パスとダイレクトプレーを使って中央を打開する練習法

公開:2023年11月11日

2022年度のチビリンピック全国大会、全日本U-12サッカー選手権大会に初出場した、ソレッソ宮崎。セレクションを実施しないクラブながら、目覚ましい躍進を見せている。

U-12を担当するのが、ソレッソ熊本OBでサンフレッチェ広島ユース出身の佐藤涼監督。コンビネーションを駆使した、攻撃的なスタイルに定評のある佐藤監督に「縦パスとダイレクトプレーを使った、中央からの連携を高めるトレーニング」を実施してもらった。

後編では、「ポゼッションを高めて、シュートまで持ち込む実践トレーニング」を行っていく。(文・鈴木智之)

この内容を動画で詳しく見る

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ゴール前でのタイミングを合わせる3つのシュートトレーニング

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後編最初のトレーニングは「シュートトレーニング×3」。ゴール前の設定で、GKを配置し、3パターンのシュート練習を行う。

1つ目のルールは
「横パス→縦パス(1タッチ)→落とし→プルアウェイ→スルーパス→シュート」

2つ目のルールは
「横パス→縦パス(1タッチ)→3人目落とし→3人目スルーパス→シュート」

3つ目のルールは
「外にパス→横パス(ダイレクト)→オーバーラップ→パス→シュート」

佐藤監督は「ゴール前の崩しをイメージして、味方とタイミングを合わせよう」とアドバイス。さらにシュート役に対して、シュートを打つためにスペースメイクをすることに言及。これは前編の動画でも強調したポイントだ。

佐藤監督は「パスを付ける足にこだわろう」「味方のスピードを殺さない」と声をかけ、シュートを打つ選手に対して、パスを受ける際にバックステップではなく、クロスステップを使い、ゴールに向かって進んでいくプレーをデモンストレーション。

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そうすることで、ボールの呼び込みからシュートまで、スピードを落とさずにパワーを持って入っていくことができる。指導する際に、意識したいポイントだ。

続いては、シュートトレーニング2。1つ目の設定は2人で行っていたが、これは3人で行う。佐藤監督は「移動中に3人目が関わること」「味方とタイミング、意図を合わせよう」と繰り返し、伝えていく。

「シュート役がスピードを落とさず、100%で出ていけるタイミングを狙ってパスを出すこと。出ていくタイミング、関わるタイミングを意識しよう」

このトレーニングでは、ボールを落とす選手がパスを受けに下りてくるので、シュート役の選手は、味方が下りることでできたスペース使い、シュートに持ち込むことを意識したい。

次の「シュートトレーニング3」は、2人の連携でシュートに持ち込む。ここでは「味方のスピードを殺さないように、共通認識を持とう。この後にやるゲーム形式で使えるように」と声をかけていく。

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さらに、ボールを落とす選手に対して、ゲームリアリティを出すことを要求。相手に見立てた黄色いコーンにドリブルで仕掛けて、シュート役にパスを出すなどの工夫を求めていった。

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移動中に周りを観ておく。ワンタッチで攻撃のスピードを変える

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続いてのトレーニングは「4対4+1フリーマン+GK」。縦24m×横29.5mのグリッドで実施。佐藤監督は、次のようにアドバイスを送る。

「ゴール前の崩しのところで、ワンタッチや縦パスに対して、コンビネーションを使って入っていくことをやりたい。まずは移動中に観ること。フリーマンがプラス1でいるので、ワンタッチで関われるところはある。周りの選手は積極的にランニングをして、3人目で関わっていこう」

守備面では、攻守の切り替え、ハードワークを要求。「守備の強度を上げていこう」と話し、良い守備をかいくぐるために、攻撃を工夫する環境を作っていく。

さらには、プレーを見ながら「全員、ボールを受けてから考えている。移動中に周りを観よう。ワンタッチでスピードを変えよう」「味方との距離感が大事。ボールを失ったら、距離感が良いときに奪い返そう」など、適宜コーチング。

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その結果、選手のプレーが変わり始め「選手同士の関わりが増えて、ワンタッチプレーが出てきた。ランニングも増えてきたし、守備の切り替えも良くなったね」と称賛。

それに加えて「ボールを出し入れして、相手が食いついて、引き出して空いたスペースにランニングするなど、相手の背後をとることを忘れなうように」と、さらなる狙いを提示していく。

ゲームでは、相手を揺さぶって攻撃をするためのスペースを作る

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最後のトレーニングは「6対6+GK」。縦42m×横34mのグリッドで実施。中央のコーンから先に進んだらオフサイドあり。フォーメーションは3-2-1で行う。

「今日やったことを出そう。ワンタッチで関わる、移動中に観ておく、つながる。3人目なのかワンツーなのかオーバーなのか。ボールを失ったあと、同サイドで切り替える。距離感を大事にしよう。味方を孤立させないこと」

ここでも、相手を揺さぶって、空いたスペースにパスを差し込むなど、「相手を観てプレーすること」を強調していった。

以上でトレーニングは終了。佐藤監督は次のようにメッセージをくれた。

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「今回紹介したトレーニングをすることで、味方との共通理解を深め、観てタイミングを合わせること、3人目の関わり、味方との距離感、ダイレクトプレーが身についていきます。継続して取り組むことで、試合で意図的なコンビネーションが増えていきます。ぜひ行ってみてください」

前後編通じて、テーマと狙いが明確にあるトレーニングを積み重ねることで、選手たちのプレーが徐々に良くなっていく様子を、ぜひ動画で確認していただければと思う。

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【講師】佐藤涼/
ソレッソ熊本のOBで高校はサンフレッチェ広島ユース・大学は関西大学でプレー。卒業後ソレッソ熊本で指導者を始め、現在はソレッソ宮崎で指導をしている。今年度は6年生担当として初監督に就任した。

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