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サッカーのパスを回すコツはパスの強弱とポジショニング!練習のポイントも解説

公開:2024年7月24日

近年、ボール保持を主体に、パスを繋ぐサッカーを志向するチームが増えてきた。一方で「練習ではうまくいくのに、試合になるとパスが繋がらない」といった悩みを持つ指導者、選手も少なくない。

そこでサッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、ジュニア向けのわかりやすい指導に定評がある、蹴和サッカースクール代表の上田原剛コーチに「試合になると、パスが繋げなくなる時の対処法」をテーマにパスの練習を実施してもらった。

後編のテーマは「DFをつけた状況でパス交換の基準を実践するトレーニング」。実戦形式の練習を通じて、選手たちのパスやプレーがみるみる向上していく様子をお届けしたい。(文・鈴木智之)

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相手DFのプレスの状況を見てポジショニングやパスの強弱を決める

後編最初のトレーニングは、サッカーの練習ではおなじみの「4対2」から。8m四方のグリッド内で、2人組×3グループでパスを回しながらボールをポゼッションする。ボールを奪われた2人組が守備役になり、プレーを途切らせることなく継続していく。

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上田原コーチは「ボールを広い方に運ぼう」「強いボール、弱いボールを使い分けて」「タイミングで動こう」などの声かけを通じて、前編で行った、サポートの位置、前進の仕方などにフォーカスしてコーチングしていく。

ここでは「ボール保持者に対して、どの程度プレッシャーがかかっているかによって、サポートの位置を使い分けること」を実演。

「相手から強いプレッシャーを受けないように、ずれたポジションをとること」と話し、「相手からのプレッシャーがなければ、ボールを止めてからプレーしよう。その方が成功率が上がるよ」とコツをアドバイスしていた。

さらには「相手が来ているとき、あるいは来そうなときはワンタッチでプレーすること」とパスのコツも伝えていく。シンプルな練習なだけに、何に重点を置いてコーチングするのかが理解しやすくなっている。

また、上田原コーチは「2対2の局面になると、ボールを取られやすくなる」と指摘し「数的同数の状況で、味方に速いパスを出すのはなしにしよう」とアドバイス。プレッシャーを受けている状況で速いパスを出すと、判断する時間がなくなってしまのがその理由だ。

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この場合はスペースにパスを出し、味方がコントロールする時間を作ること。そして、味方からリターンパスをもらい、守備2人の間のコースを狙うことをレクチャーしていった。

加えて「リターンパスを受けるときに、すぐに味方に近寄ると相手のプレッシャーを受けるので、タイミングを見てパスを受けること」という、サポートにおける重要な動きを実演することで、子どもたちに落とし込んでいった。

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2人のDFの間に味方が一人立つとパスコースの選択肢が増える

2つ目のトレーニングは5対2。グリッドサイズは変わらず、中央にボランチ役が1人増える。センターバックからボランチにボールを当て、前進していくプレーをイメージしたトレーニングだ。

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この練習のコツは「中と外のパスの使い分け」。上田原コーチは「守備側が中を閉じていたら、外のパスコースが空く」と声をかけ、どこへボールを動かしていけばいいかをレクチャーしていく。

さらにはボランチの選手に対し、どこにポジションをとればいいかを説明。基本のポジショニングは、ピッチ中央の2人のDFの間だ。2人の間にいると、DFの意識が中に引き付けられるので外のパスコースが空き、ボールを外へ展開しやすくなる。

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これもサポートの重要な考え方のひとつで、上田原コーチは「プレーに関わること=ボールに行くことではないことを理解しよう」と声をかけ、サポートの仕方を伝えていった。

最後の練習は「3対3+2サーバー」。15m×15mのグリッド内でボールポゼッションを実施。グリッド内は数的同数で、サーバー(FW)に入れることを目指す。ここでは、前編、後編と取り組んできた、サポートの位置や角度、動き出すタイミングといったコツを意識してプレーすることを強調していった。

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攻撃側が意識すべきは、守備側からずれた位置をとること。フラットマーカーを起点にポジションをとり、そこから味方の動きにタイミング合わせることがポイントだ。また、守備側には「横パスかバックパスを、奪いに行くスイッチにしよう」とアドバイス。そうすることで、意思疎通が図りやすくなる。

途中から「サーバーはマーカーの位置までドリブルしてもOK」というルールに変更。フリーであればドリブルで前進し、縦パスを狙う。それができなければ、サイドにパスを出す。

このように、プレーの優先順位を意識させるとともに、良い判断、プレーを見逃さず「グッド」と声をかけていくことで、選手たちに「何を意識するか」をわかりやすく提示していた。

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その後、ボランチが下がってパスを受ける方法や、サイドにパスが入った時のサポート。ファーストタッチで前進し、縦パスを入れるプレーなどを指導することで、動きの質が向上していく。その様子は動画で確認してほしい。

上田原コーチは練習後、「ただパス&コントロールの練習をするのではなく、戦術的な要素を入れることで、試合に活かすことができます。また、プレーの再現性も高まるので、ぜひ取り入れてみてください」と話し、充実したトレーニングを締めくくった。

鹿島アントラーズやブラジルでのサッカー指導経験を持つ上田原コーチによる、パスのコツやポジショニングのコツをわかりやすく伝えているコーチングは、サッカーコーチにとって様々な学びがあるはずだ。練習を通して子どもたちのプレーを向上させていく様子をぜひ自身のサッカーチームの参考にしてみてほしい。

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【講師】上田原剛/
15歳の時にジーコサッカーキャンプに参加、ジーコにスカウトされアントラーズユースへ入団、その後大学を経て指導者の道へ。CFZ(ブラジル)で指導者をスタート。2005年〜2021年までの15年間は鹿島アントラーズのアカデミーにて指導。茨城県トレセンU12、ナショナルトレセン(関東)U12担当。2021年4月に蹴和サッカースクールを立ち上げ現在は小中学生の指導にあたる。スクールのほか指導者育成活動(練習会や講義)を行い、2021年6月からスタートした「お父さんコーチ向け練習会」には既に150名以上の指導者が参加している。

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