■自分で考えてサッカーを!
――その後の進路では、高校サッカーに進もうという選択肢はなかったんですか?
「枚方FCのサッカーが楽しかった。高校サッカーを見ても楽しそうな感じを受けなかったのもありますが、みんなもチームに残ったので、その選択肢に進む考えは、全くなかったです。
高校生になっても『選手権でTVに出られるのはいいな』と思うくらい。枚方FCは『自分で考えてサッカーをやりなさい。そのために技術をつけましょう』というクラブ。枚方FCの楽しいサッカーをやりたい選手ばかりだったので、高校サッカーに憧れることは、全くありませんでした」
■「考える」環境を大人は与えよう
――枚方FCの方針でもある「自分で考える」ことは、今の子どもの多くが慣れていない部分ですよね。
「そうですね。大人の指示を待っていますよね。『何かいってくれないの?』という感じで黙っている。そこで我慢比べに負けてしまって、大人が先にしゃべってしまう。もちろん、学年によって難しい部分はありますけど、『自分の意思で動いたから、責任が生じる』ことを避けていますよね。『あの人がいったら、僕がしたんだよ』ということが最近はとても多いですよね。
それと比べて考えてみると、当時の枚方FCでは監督やコーチがいったことに対して『自分たちはこう思ったから、このように行動した』という場面がとても多かった。例えばPKを弱く蹴って外したときにも『なんで強く蹴らないんだ!』といわれたら『結果は別にして、駆け引きをした上で考えて蹴った。だから怒らなくていいじゃない』とかですね。それがいいことか、悪いことかは分からないのですが、そういうことは、よくいっていましたね」
――ただそれも、説明できないと主張できませんよね?