「枚方FC時代に積んだ練習のおかげもあると思います。例えば、もし相手に囲まれた場合でもタイミングさえしっかり見て、ブロックをしておけば1対1にすることができるし、そんなに焦る必要はない。逆に抜かなきゃいけないところでも抜かないプレーがいっぱいあったと思います(笑)。
それでも最初は相手を抜くプレーヤーだったんです・・・。プロ1年目に司令塔からボランチに転向したことでプレーもそのような傾向になりました。プロではいちいち細かいところまで教えてくれませんから、自分で攻撃の質も求めていく中で、大学時代にボランチをしていた持山宜丈(元浦和)のプレーなどを思い出していましたし、ボランチになってサッカーを勉強するようになったことは確かです。
今まではボールを持ったら前に行くなど、自分のやりたいことばかりをやってきていましたが、全てのマネジメントを考えなくてはいけないボランチに入ったことで、サッカーの『深さ』という楽しさも知るようになりました。
たとえば予測できる回数が増えるとボールに触れる回数が増えますし、相手がどのように変化するかイメージできると、パスも通しやすくなる。そこは子どもたちにも教えてあげたい部分ですね。そうするとサッカーも早くなってくるはずです」
■わざと「察しの悪い親」になろう
――最後にジュニア世代の保護者が子どもたちを育てていくポイントはどこでしょうか?
「わざと『察しの悪い保護者』になることですね。今は何でも気づいて子どもに関わりきろうとするお父さん、お母さんが多いですが、そこであえて気づかないふりをして、子どもに気づかせることが大事だと思います。僕らも指導する際には、そこに気を配っています」
――情報の引き出しを持っていることは重要ですけど、何でも与えていいというわけではない。
「たとえば『コーチ、ボール!』と子どもがいったとします。でも、それだけでは何を求めているのか分からない。『ボールを取って下さい』なのか?それとも別のことなのか?生活でも『お母さん、牛乳!』だけでは欲しいのか、飲みたいのか、買いたいのか分からない。ちょっとしたことですけど、自分の意思をはっきり表現できるようにならないといけないと思います。