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C・ロナウドを分析! ストライカーに必要な原理原則とは

公開:2014年3月11日 更新:2014年3月12日

キーワード:指導者

日本サッカー協会のコンサルティングプロジェクトディレクターとして活躍するサッカーサービス社のメインコーチ、ダビッド・エルナンデスは、チーム指導や指導者講習のほかに、選手の個人コンサルティングを行っています。サッカー選手の個人コンサルとは、聞きなれない言葉。具体的には何をするのでしょう。ダビッドが説明します。
 
「プロ選手に対するコンサルティングは、主に映像を使って指導をし、頭の中に働きかけていきます。プレーの分析をして、考え方を提示することで『頭の中の回路を変える』のです」
 
ダビッドはバルサの闘将・カルレス・プジョルを始め、リーガ・エスパニョーラのトップレベルの選手や日本代表選手など、様々な選手のコンサルティングを担当した経歴を持ちます。今回はダビッドに、『欧州チャンピオンズリーグなど世界のトップレベルで活躍するFWは、どのようにプレーしているのか?』をテーマに、FWの動きにスポットを当てて話を聞きました。
 
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Photo:George M. Groutas
 
 

■ゴールを決める確率の高いエリアを知っている

ダビッドの手元にはパソコンがあり、その中には日本人選手のプレー映像や、欧州選手権、W杯、チャンピオンズリーグなどで、世界トップレベルの選手が見せた『良いプレー』の映像がストックされています。ダビッドはある日本人FWの映像を呼び出すと、鋭い眼光で説明を始めました。
 
「FWの重要なプレーのひとつに『攻撃の深さを作ること』があります。相手の最終ラインと駆け引きをして、オフサイドにならないポジションを保ちながら、味方がプレーするためのエリアを作ります。ここでポイントになるのが、ゴール正面、中央部のポジションをとることです。しかし、多くの選手はしばしば中央部のゾーンから外れて、サイドにあるペナルティエリアの外へと流れてしまう傾向があります。チームの戦術として、サイドのスペースに出ることが求められるのであれば、監督の指示に従うべきです。しかし、そうでない場合はゴールを決める確率の高い、中央のエリアでプレーを続けることを意識することが重要なのです」
 
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そういうと、ダビッドは資料を見せてくれました。各国リーグの得点場面を分析したもので、どの位置からのシュートが、ゴールにつながったかがまとめられています。
 
「世界中のどのリーグでも、ゴールが生まれるのは、ゴールエリアのニアサイドと、PKマークあたりです。C・ロナウドは、ゴール前に侵入する場面では必ずといっていいほど、PKマーク付近に入りこんでいます」
 
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ゴールを決めるには、ゴールを決めやすい位置にいる必要があります。そうはいっても、現代サッカーは選手のフィジカル能力が向上し、プレー時間もスペースも限られたものになっています。ゴール前ともなれば、そう簡単にスペースを与えてはくれません。ではどのように動けば、自らスペースを作り出すことができるでしょうか――。
 
 

■自分に有利なスペースとシュートの時間を作り出す

「味方がボールを奪った瞬間、FWが考えるべきは『どこのスペースを狙って、どう進んでいくか』です。この動きに優れているのが、ルーニーとファン・ペルシです。彼らは相手DFを釣り出す動きをし、スペースを作り出します。主体的に動いて主導権を握り、DFを罠にかけるのです。これは1歩、2歩ステップを踏むといった小さな話ですが、世界トップレベルでは、そこがゴールを決めるための分岐点になります」
 
ダビッド・エルナンデス
 
ダビッドはそういうとパソコンを操作し、映像を呼び出します。現れたのはファン・ペルシのゴールシーンです。味方が左サイドでボールを持ち、カウンター攻撃に入ります。ファン・ペルシの前方には2人の相手センターバックがいました。ファン・ペルシはボールから遠い方のCBの裏のスペースでボールを受けるため、あえて一度、ニアサイドに動いてCBを引きつけます。相手がその動きに釣られてニアサイドに動き出した瞬間、相手CBの背後にできたスペースへ走りこみ、ルーニーからのパスを受けシュートに持ち込むことに成功しました。ファン・ペルシが最初から、CBの背後のスペースに走りこんでいたら、相手のマークを受けることになり、優位な状態でパスを受けることができなかったでしょう。プレー時間はわずかゼロコンマ数秒、ステップにして数歩ですが、その動きで相手CBを罠にかけ、シュートを打つスペースと時間を作り出したのです。
 
「ポイントは、一度前に出て相手を釣っておいて、コースを変えてCBの裏をつくプレーです。一歩動くだけで、相手DFの身体の向きを変えられる場合があります。そこで一気にスピードを上げれば、相手は追いつくことはできません。このコンセプトはFWの選手にとって、とても重要なプレーです」
 
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ルーニー、ファン・ペルシを始め、世界トップレベルで活躍するストライカーのゴールシーンを見ると、ボールのない所で相手DFと駆け引きをし、自分に有利なスペースとシュートを打つための時間を作り出す動きをしています。時間にすればほんの数秒ですが、その瞬間にこそ、ゴールを決めるために重要なエッセンスが詰まっているのです。
 
ダビッドは淀みなく解説を続けます。次回は「シュートを決めるために必要な4つのポイント」を紹介します。
 
 
 
2014年4月サッカーサービス社によるスクール開校!!
 
4月より関東4か所において、日本初となるサッカーサービス社のジュニア向けサッカースクールが開校します!多くの方からご要望頂いていたこの常設スクールが2014年ついに実現します!
 
過去数多くのトップ選手を育成・コンサルティングを行ってきたサッカーサービス社が開校する、日本で初めてとなるこのスクールでは、U-8、U-10、U-12を対象に指導。毎日異なる会場で行われ、4月の幕張校(千葉)・北与野校(埼玉)を皮切りに5月より品川校(東京)、元町校(横浜)もオープンとなります。
 
これまでは夏と冬の年2回行われている短期キャンプでのみ触れることができたこのサッカーサービス社のメソッド。今春以降はこの『賢い選手になるためのサッカー』を定期的に、そして継続的に学ぶことができます!
 
スクールコーチは今年1月のジュニア向けキャンプでも来日したポール・デウロンデルコーチとなり、その豊富な指導実績を日本の選手に向けて実践していきます!
 
世界で活躍するトップ選手が、12歳までに身に付けているサッカーの原理原則を学ぶことができるこのスクール、各会場人数限定での募集となっています!
 
▼スクール詳細はこちら
http://soccerservices.jp/school/
 
【来日コーチ】ポール・デウロンデル
http://www.soccerservices.jp/about/coach_Pol.html
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文・写真/鈴木智之

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