■ピッチ内外で役立つ、状況把握能力
「状況を正確に把握することは、間違いなくピッチのプレーにも繋がると思います。判断の質は上がる。たとえばシュートを打つときに、(相手キーパーやDF、味方選手の動きを)どこまで見ることができるか。シュートのギリギリの瞬間まで、『あそこに味方が走っているから、こっちに打つよりあっちに打った方が、味方がつめられるな』とか、練習でも1本ありましたが、ぼくがサイドを縦に抜けて、クロスを上げようと思って中を見たときに、味方が入っていなかったので、一度ためてもう一度中を見ると遅れて(望月)嶺臣くんが入ってきたので、クロスを上げました。あれもギリギリまで見ることができたからこそできたプレーだと思います。そういったところも含めて、いい判断なのか悪い判断なのかを見極め、指摘するのかしないのかを決めることも重要な能力だと思います」
他人を見極めることができる選手は、自らを見極めることができる。そして、自らと周囲をコントロールできる選手こそ、真にメンタルの強い選手と言えるのではないだろうか。
「気持ちが強くないと、試合中に自分のプレーを出せない。結局、気持ちが大事。メンタルのことをあまり言いたくないけど、気持ちが乗らなかったら、絶対にいいプレーはできない。逆に気持ちが乗りすぎても駄目。ちょうどいいバランスを見つけて、コントロールしていくことが大事だと思う。バスの中から高めるのか、アップのときに高めるのか。やり方が大事だと思います」
第3戦で実力の拮抗する韓国を2-1で退けた若き日本代表は、グループリーグを首位通過。本日、決勝トーナメント1回戦(北朝鮮戦)に挑む。
取材・文・写真 安藤隆人