■ボール奪取のポイントは横パスを狙うこと
ボールを奪うディフェンスの手順は次のようになります。
1.ボールホルダーに対して、味方が寄せる。
2.そこで味方がボールを奪えなくても、ボールホルダーの横パスに対して自分が寄せる。
3.さらにそこで奪えなくても、自由を奪われた相手が苦しくなってボールを下げる、その瞬間を狙って3人目のディフェンスがボールを奪う。
「このように、チーム全体で予測を効かせたディフェンスを連動してできるようになるわけです。相手にはどんどんプレスがかかって、前進したくてもできない状況が生まれるのです」
現在、ディフェンス戦術に長けたイタリア人のフィッカデンティ監督に率いられるFC東京の守備がまさにこれ。中盤で、相手に対して横方向の逃げるようなパスを狙い、ボールを奪ったらすかさずショートカウンターを浴びせる。そんな連動したディフェンスで数多くのゴールを奪っています。
つまり、小宮山選手が言及するフットサルのディフェンスの考え方は、サッカーにおいても機能するということです。もしかするとディフェンスの考え方は、サッカーよりもフットサルのほうが進んでいる部分があるのかもしれません。
■局面を曖昧な表現で終わらせないことが大事
最後に、小宮山さんはこう付け加えます。
「攻守というものは表裏一体ですから、トレーニングにおいては、攻守における凌ぎ合いから子どもを上達させることができます。ディフェンダーがボールホルダーに寄せたとき、ボールホルダーはそのファーストコントロールを足下に止めてしまえば相手に奪われてしまいます。だから、このときに、子どもに『相手の寄せに対して、足裏でも、アウトサイドでも、インサイドでもいいけど、ファーストコントールでボールを置く位置がすごく重要になるよね?』と声をかけましょう。『相手のいい寄せがあるのだからもっとファーストコントロールはうまく動かさないと』と。ディフェンス側の子どもには、こんな声をかけましょう。『相手がファーストコントロールでうまくプレスを外そうとしているのならば、もう一歩、寄せ方を頑張って厳しくプレスをかけてみようよ』『自分が追い込みたい方向にファーストコントロールをさせるように意識してみようよ』と。このように、ひとつの局面を曖昧な表現で終わらせることなく追求していけば、子どもの技術や判断力、戦術理解能力などをどんどん伸ばすことができるわけです。つまり、よいプレスができて、よいボディコンタクトができて、よいファーストコントロールができるようになります。相乗効果の高いトレーニングが可能になるのです」
【告知】
Fリーグ第30節・31節名古屋セントラル
2015年1月30日(金)~2月1日(日)
Fリーグ全チームが集う今季最後のセントラルが名古屋・テバオーシャンアリーナで開催。小宮山友祐が所属するバルドラール浦安は30日17:30~シュライカー大阪、1日9:30~府中アスレティックFCと対戦いたします。