■まずは腰を落として子ども目線になることから始めよう
そういえば似たようなことを先日、SCフライブルクのU23監督イラクリス・メタクサスさんと議論しました。子どもたちにとって必要な練習というテーマについて「本屋に行けばそれこそ1000冊くらい専門書はあるだろう。子どものうちに大切なのは狭いスペースでのミニゲームを多くこなすことだ。それが一番子供達の助けになる。練習に来る子供達にとって大事なのは毎秒、ゲームの中にいることで得られる経験を身につけること。少ない時間、狭いエリアで素早いプレーをしなければならないという環境で子供達は自分で様々なことを学ぶ。それは指導者が長々と10回同じことを説明するよりも意味があり、役に立つことなんだ。子供達はゲームで感じ、ゲームから学ぶ。何も言わないわけではないし、言うべきことはもちろん伝える。でもその時も出来る限り簡単な言葉ですぐに理解できるようにしなければならない」と話していました。
本来、子どもにとっては試合もミニゲームも真剣勝負の場。何でもない練習のミニゲームでも、負けたらすねたり泣いたりと、悔しくてしょうがない。でも何とかしたくてもできないのは、何をどうしたらいいのかわからないから。気持ちがないわけではないのです。その時にヒントをそっと与えるのが、指導者であり、親ではないかと思うのです。だからその時のために、指導者も、そして親もまた、学ばなければならないのです。
大人からすると「なんでできないんだ!」と思うことでも、子どもにとってはひとつひとつが大事な経験の場。「精神論」ばかりに活路を見出すのではなく、上から見下ろすのではなく、腰を落として子どもの目線になって見てください。子どもたちがいつも見ている景色が見えるはずですから。