■日本人の課題は高いテクニックを試合の効果的な場面で発揮すること
では、なぜスペインのU-12の選手たちは、試合中に相手のプレーに対応して戦い方を変え、勝利に結びつけることができたのでしょうか? ポールコーチが説明します。
「スペインの選手たちは毎週のリーグ戦を通じ、相手を分析して、相手の出方を読んで対応する経験を積んできています。選手たち自身も、試合の中でどうすればより良くプレーできるかを考えながらプレーしています。監督は試合の状況を見ながら、戦術的な変更を指示し、それに対応するトレーニングをしています。今回戦った、カタルーニャの上位カテゴリーに所属するチームは、それらを当たり前のように行っています。そのため、必然的に選手も考えながらプレーするようになっているのです」
サッカーサービスはスクールやキャンプの中で『ゲームを理解する』ことをテーマに『賢い選手の育成』に力を注いでいます。賢い選手とは、試合の流れによって最適なプレーを選択できる選手のことを言います。もともと、日本の子どもたちは敏捷性に優れ、ボールコントロールの技術も総じて高いものがあります。あとはその特徴を『試合の効果的な場面で発揮すること』が必要になります。そのためのキーワードが『いつ・どこで・なにを、どのようにプレーするか』です。ポールコーチが説明します。
「サッカーサービスのスクールでは、選手たちが試合中、ピッチの中で何が起きているかを理解した上でプレーする力を身につけるトレーニングを行っています。そのためには、プレーの先を読むこと、予測することが必要です。いまピッチの中で何が起きているかを理解できれば、その後、何が起こるかを予測することができます」
スペイン遠征では、日本では戦うことができないレベルの相手と試合をすることで、テクニックだけでは試合に勝つことができないことを学びました。テクニックに加えて、試合の中で何が起きていて、状況を解決するためにはどうすればいいかを考えること。それこそが『賢い選手』になるための第一歩となり、トップレベルの選手に到達するために必要な要素と言えるでしょう。次回の更新では具体的なプレー、戦術の例を使って『賢い選手になるために必要なこと』を解き明かしていきます。
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取材・文/鈴木智之