■日程調整やグラウンド確保は大変でも、子どものためなら頑張れる
――リーグ戦を導入するにあたって、日程やグラウンド確保など、さまざまな弊害があるという意見もあります。
私もプレミアリーグを運営しているので、その意見はよくわかります。ただ、ジュニア年代は8人制になったことで、通常のグラウンドで2面をとることができますし、できないことはないと思います。審判の数が足りなければ、1人審判でもいい。現にプレミアリーグ千葉は1人審判制です。試合数が増えることで、運営側が大変なこともよくわかります。プレミアリーグ千葉は年間90試合あるので、グラウンドの割り当てや対戦表の作成ひとつとっても、かなり苦労しています。それでも、誰かがやらなければいけないし、リーグ戦が選手の成長のためになるのであれば、大人は仕組みづくりをやるべきだと思います。
――最後に、育成年代のリーグ戦化に向けて、ビジョンを教えて下さい。
日本サッカー協会が中心となって、各カテゴリーにリーグ戦が導入され始めました。いままではトーナメント形式が多く、一試合の重みが大きすぎて、試合に勝つために極端な戦い方をしたりということが少なからずあったと思います。リーグ戦化されることで、適度な緊張感と適度なプレッシャーがかかる試合を、毎週のように戦うことができるようになります。その中で選手も指導者もトライ&エラーを繰り返し、試合の反省を活かしてトレーニングで修正し、次の週末に臨むというサイクルができてきます。僕たちが運営しているプレミアリーグのように、民間の指導者から「育成年代にはリーグ戦が必要だ」という意見も出ていますし、関東以外の県でも「プレミアリーグをやりたい」という声が出てきて、実際にスタートするところもあります。熱意があって行動力もある指導者を中心に、リーグ戦文化が日本中に広がればいいなと思いますし、それこそが日本サッカーの強化につながると思っています。
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取材・文 鈴木智之 写真 鈴木蹴一