考える力
子どもにとっての一番の応援!それはあなたが笑顔で見守ること
公開:2015年7月14日 更新:2021年1月27日
■オシムからの学びを子どもたちに伝えていく
市原さんがジェフ千葉でプロ選手としてのキャリアをスタートさせた当時、チームの指揮を執っていたのは、日本代表監督も務めたイビチャ・オシム氏だった(03~06年までジェフ千葉の監督、06~07年に日本代表監督を務めた)。オシム氏といえば、その代名詞に挙げられるのが『考えて走るサッカー』だ。その練習方法は実に多様で、選手を飽きさせないよう常に工夫していた。そのほとんどが実戦を意識した内容で、常に動きながらプレーするものばかりだった。また、練習では多色のビブスを使いプレーに複雑な制限を課すメニューなどがあり、慣れるまではルールや目的の理解が難しいとされていた。
市原さんもオシムサッカーを習得するのに時間がかかったと振り返りますが、オシム氏の下で2年半プレーした経験が、コーチとなった今も生きているという。
「当時、いろいろなポジションを経験して、もしかしたらそこで新しい何かが生まれるかも、発見できるかもという感触がありました。だからこそ、いまは子どもたちに、ポジションを固定せずにわざと苦手なポジションや後ろ目のポジションでプレーさせたりします。また、『オシムさん=考える』というイメージがありますが、子どもたちに『考えようよ!』と言いながら、“あ、こういうことなのか”と改めて感じる部分もあります。多色のビブスを使って鬼ごっこしたりするのも、オシムさんの“色”が少し反映されているのかなと思いますね」
オシムサッカーを体感した選手は、誰もがその経験をかけがえのない“財産”だと言う。
「自分も少なからず刺激を受けた一人。それを子どもたちに伝えることは、自分にしかできない価値だと思います。あとは、自分がどう落とし込んでいくのかにかかっていますね。トムさんのトレーニングに加えて、オシムさんの下で経験したことを、これから子どもたちに伝えていきたいなと考えているんです」
市原充喜(いちはら・みつき)
1986年1月31日千葉県生まれ。東京学館高校-ジェフユナイテッド市原・千葉-ジェフユナイテッド市原・千葉クラブ-ジェフユナイテッド市原・千葉-ジェフユナイテッド市原・千葉リザーブズ-アルビレックス新潟シンガポール(S. League)-United SikkimFC(I-League 2nd Division:ユナイテッド・シッキムFC)などでプレー。2012年にプロサッカー選手として現役生活を引退し、2013年度より(株)T3に入社。 JFA公認指導者ライセンスやキッズライセンスを取得し、現役時代の経験を生かし活躍している
サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガに登録しよう!
取材・文/石井宏美