■親が自らの背中で見せることが、子どもの成長を支える
私生活では4歳と14歳のお子さんを持つ古賀さんは、チームでの指導方針を、家庭内でも実践しているそうです。
「親の背中というか、一瞬一瞬を全力で真摯に取り組む姿を見せることです。子どもたちにそれを見て感じてもらえるような生き方をしたいなと思っています。やはり指導者になって、自分が取り組む姿はそのままある程度子どもたちに反映されていくんだな、というのを実感したんです。本気で向き合ってぶつかっていったら、子どもたちも本気でぶつかり返してくれます。しかし、言葉先でごまかしていたら相手もそういう反応でしか帰ってこない。本気で伝えようとすれば本気で感じて答えてくれるんじゃないかなというのは、指導者になってから強く感じられたことですね」
「サッカーを通じて人としての成長を促すのではなく、模範となる人間性を備えた人間がサッカーをするからこそ強い」というぶれない信念を持ち続けて、サッカー選手としても、いち社会人としても一流の人材を輩出する組織を作りあげた古賀さん。その指導の裏には、“伝えたい思いを明確に言葉として打ち出す”一方で、言葉だけでなく“行動して背中で見せる”ことがあったのです。大学という一部のカテゴリにおいての成功例ではありますが、これはすべてのカテゴリのサッカー少年少女を育てる上での共通項と言えるでしょう。
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取材・文 竹中玲央奈 写真提供:早稲田大学ア式蹴球部