考える力
3年連続でCLを制したスペインサッカーの強さの秘密!小学生から"考える力とスピード"を育てる理由とは
公開:2016年5月31日 更新:2020年3月24日
■13歳までに技術やフィジカルよりも"考える力"と"考えるスピード"を鍛える理由
このような守備の個人戦術は育成年代で、身につけておかなければカテゴリーが上がったからといって自然にできるようにはなりません。なぜなら、一般的に年齢やカテゴリーが上がるに連れて、チーム戦術へと移行していくからです。そのため、個人戦術は育成期である13歳までに身につけておくべきものだと、我々は考えています。
多くのコーチや選手はテクニックやフィジカルのトレーニングに時間を割きます。もちろん、それらの要素はサッカーに必要です。しかし、それと同じぐらい重要な“認知”や“判断”のトレーニングはあまり行わないのが現状です。そのため、われわれは日本でのスクールやキャンプを通じて、テクニックやフィジカルだけでなく“認知”“判断”のトレーニングを行い、賢い選手になるための育成を行っています。
なぜなら、それこそがトップレベルの選手になるために必要なものだと考えているからです。下部リーグでプレーする選手とトップリーグでプレーする選手の違いは、フィジカルやテクニックではなく“考える力”と“考えるスピード”です。具体的には、相手や味方がどんなプレーをするかを予測するスピード。そして、ピッチの中でいまなにが起きているかを理解し、数秒先になにが起きるかを把握する力です。
その部分に目を向けず、テクニックやフィジカルだけをトレーニングして成長させたとしても、本当のトップレベルの選手になるのは難しいでしょう。
C・ロナウドはテクニックもフィジカルも世界最高レベルにあります。それに加えて、「いつシュートを打つべきか」という判断のスピードが非常に速いのです。そのため、相手DFが予測するよりも速くシュートを打つことができます。だからこそ、あれだけ多くのゴールを決めることができるのです。
チャンピオンズリーグ決勝という世界最高の舞台でも、認知や判断の部分でのミスがゴールにつながることを、われわれは目にしました。今後もその部分にフォーカスして、指導をつづけていきたいと思っています。
<告知>
欧州でトップ選手になるためには、才能×運×正しい努力の全てが必要です。どれだけ才能があっても、下りのエスカレーターに乗っていては倍の負荷がかかります。何が登りのエスカレーターなのかをいかに早く発見することができるかが成功の近道です!
●おすすめ商品●
「守備(ディフェンス)の原理原則」を身に付ける指導メソッド
知のサッカーシリーズ最新巻「知のサッカー第3巻」。今回は「守備時の認知」に特化。8歳~18歳までに身に付けるべき「守備(ディフェンス)の原理原則」と、個人からポジション別まで28の練習メニューを紹介しています。
商品詳細はこちら日本サッカーの課題を解決する“守備”の指導法とは?
サッカーサービスの『守備戦術の指導法』を無料メールマガジンで大公開!
サッカーサービスのコーチが、日本サッカーの課題「守備」を徹底解剖!個人からポジション別まで、小学生から高校生の各年代で指導すべき守備戦術とそのトレーニング方法について解説します。
※このメール配信はいつでも簡単に解除することが可能です。
取材・構成 鈴木智之